岩尾俊兵先生の「世界は経営でできている」を読みました。この本でいう経営の定義は「価値創造(=他社と自分を同時に幸せにすること)という究極の木液に向かい、中間目標と手段の本質・意義・有効性を問い直し、究極の目的の実現を妨げる対立を解消して、豊かな共同体を創り上げること」としている。ここを「経営=利潤の追求」と考えていると「おや?」ということになる。人生の様々な局面において、経営の欠如は目的と手段の転倒、手段の過大化、手段による目的の阻害などの多くの陥穽をもたらすとこの本は主張する。何かを有限だと思う気持ちは常にそれを失う恐怖と隣り合わせだ。金銭も時間も関係性も勉強法も問題解決も「人生において価値あるものはすべて誰かがすでに作ったもので、有限にしか存在しない」という既成概念に取りつかれると、限りあるものを守るために短期的で局所的な思考/志向に支配される。そして、自分にとって本当の目的、究極の目的は何かを問い直す余裕がなくなる。結論は、価値有限思考を経営によって価値は想像できると考える「価値無限思考」に転換すれば、顧客から他企業までのすべてが「価値創造を行う共同体の仲間」に代わる。理想論が現実論になる。そんな世界が実現できるというのが本書の主題みたいだ。まあ、判かったようで、判らないような。ただ、価値有限思考にとらわれ過ぎないことが大事なんだなとは改めて思いました。
