りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

世界インフレの謎

渡辺務先生の「世界インフレの謎」を読みました。インフレは需要と供給のバランスが崩れて、需要>供給となったときに発生するのは当然として、需要過大型と供給不足型があるといわれると、確かにその通りだろうとは思う。現在発生しているインフレは後者、つまり供給不足型。需要過大型の場合はその旺盛な需要熱を冷ますために金利を上昇させるというのが常套手段。ところが、供給不足型の場合は、確かに構造上は金利を引き上げることで対応できるが、これでは縮小均衡になってしまうことから、経済上はよろしくない。つまり、供給不足型の場合は中央銀行としては基本的には手の打ちようがないということ。良く、デフレ下の金融緩和は無意味とかいう話の中に、需要がないところで金利を下げても需要は喚起できない、ゴムや紐は引っ張ることはできても、押すことはできないというけど、それに近い議論のような気がした。

供給不足の原因は、まあいくつかあるわけだけど、行き過ぎたグローバリゼーションの調整というのかな。今までは世界で一番安いところで作るということで、究極のコスト削減を続けてきたわけだけど、パンデミックでグローバルな生産、物流に支障が出てきた。折からの戦争等で地政学的にもグローバリゼーションは是正の時期を迎えている。行動変容もこうした動きに拍車をかけた。簡単に言うとそういう構図かな。

処方箋はいろいろ書かれていたけど、個人的にはそんなに腹落ちしませんでした。もう少し勉強したいところです。