りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

経済の大転換と日本銀行

翁邦夫先生の「経済の大転換と日本銀行」を読みました。先生の本はいつもとても勉強になります。この作品の問題意識は、日本銀行による量的・質的緩和という政策が、日本経済にどう作用するのか、この非伝統的金融政策のリスクは何なのかという問題意識をベースに、さまざまな議論を重ねている。で、この本の結論はある意味「おわりに」に書かれている次の文章なんではないかと思います。

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量的・質的緩和は物価上昇率の不足を日本経済の停滞の元凶と位置づけ、それからの脱却を至上命題にした総需要刺激政策である。しかし、半世紀以上にわたる出生率の低下と超高齢化は、、インフレ期・デフレ期を問わず進行してきた。そのことにより大きな転換期を迎えている日本の社会経済の今後を当面、大きく左右するのは、出生率の引き上げもさることながら、超高齢者が自立して暮らせる時間をどの程度平均的に伸ばせるかだ。超高齢化による社会の崩壊を防ぐことは、中期的な潜在成長率を維持する上で不可欠であり、かつその対応に残された時間はごくわずかだ。量的・質的緩和は成長戦略の核心を見誤っている。

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はい。厳しい結論です。それでも、とても説得力のある結論だと思います。

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