りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

外資系コンサルの知的生産技術

 

 山口周さんの「外資系コンサルの知的生産技術」を読みました。サブタイトルは「プロだけが知る『99の心得』」。いくつか心に残るところを拾ってみました。

・「新しさの出し方」を決める:新しさを出すには「広さで出す」のと「深さで出す」のと二つの方向性があります。そして、プロセスに入る前に「どこで知的付加価値を出すのか?」ということを整理してしまうのです。

・良い質問=良いインプット:最も重要なポイントとなるのが、プロセスに入る前に「どこで知的付加価値を出すのか?」ということを整理してしまうのです。

・「わかったふり」をしない:相手の話していることに多少なりとも疑問点や 腑 に落ちない点があった場合、これを素通りすることなく明確化させないといけない、ということです。「よい質問」というのは「わからない」からできるのではなく、まったく逆に「完璧にわかる」からこそできるのです。また、論理的に筋が通っていないように思えることにこそ、知的生産のコアになるネタが隠されていることが多いから、 というものです。

・現場を観察する:煮詰まったらまずは虚心坦懐に現場を見てみる、というのは知的生産におけるゴールデンルールといえます。そして、いい仮説というのは、繰り返し観察されるパターンに気付くことで初めて得られるからです。

・仮説は捨てるつもりで作る:本来、仮説は反証されればされるほど強固でしなやかなものになるはず。

・「考える」と「悩む」を混同しない:判断に必要と思われる情報はそれなりに集まったのに解が見えてこないというとき、問題はほぼ間違いなく「問いの立て方」か「情報の集め方」にあるはずで、思考力や思考量の問題であることはあまりないはずです。

・音声化と視覚化の双方を活用する:人間は情報を処理する際に、「音声=時間軸」と「視覚=空間軸」で脳の違う部分を使っているらしいのです。感情に訴える表現(=動画や音声)と理性に訴える表現(=新聞や雑誌、ウェブ上のテキスト)の最適な組み合わせが重要だという指摘は、知的生産にたずさわるのであれば知っておいて損はないと思います。

・とにかく紙に書いてみる:思考を深めようと思ったら、まずとにかく紙に書き出してみる、自分のアタマの中の情報や思考を、アタマの外に出して相対化してみる ということが重要です。

・視点・視野・視座を変える:視点とは、対象に着目するポイントのことです。視野とは、検討する対象の空間的・時間的な広がりのことです。そして視座とは、対象を考察する上での自分の立ち位置のことです。

・用語を厳密に定義する:プロセッシングでは、ときに哲学や論理学並みの厳密さで論理を積み重ねていくことが必要になりますが、その際に関係者間で議論の中心となる用語が厳密に定義されていることが必須要件になります。

・ベクトルではなく到達点を伝える:アウトプットが「ベクトル」から「到達点」に変わることで、関係者にとって、何をいつまでにどれくらいまで進めればいいのか、ということが明確になります。

・説得よりも納得を、納得よりも共感を:行動を変えるにはコミットメントが必要ですが、コミットメントを得るには「説得」ではなく、「納得」が必要になります。さらにそれが「共感」にまでなれば、コミットメントは内発的なエネルギーにもとづくものになり、外側から薪をくべ続けなくても心の炎は燃焼し続けることになります。

アリストテレスは著書『弁論術』において、本当の意味で人を説得して行動を変えさせるためには「ロゴス」「エトス」「パトス」の三つが必要 であると説いている。「ロゴス」とはロジック、「エトス」とは、 エシックス=倫理 のことです。そして、「パトス」とは パッション=情熱 のことです。本人が思い入れを持って熱っぽく語ることで初めて人は共感します。

・ストックを厚くすべき知識分野:経営戦略/マーケティング/財務・会計/組織/リーダーシップ/意思決定/経営全般/経済学/心理学/歴史/哲学/宗教/自然科学/芸術

・メタファー的読書とメトニミー的読書:メタファーというのは、全体で全体を喩える、喩えられるモノに対して喩えるモノが水平的・跳躍的な関係にあるのに対して、メトニミーというのは、部分で全体を喩える、喩えられるモノに対して喩えるモノが垂直的・連続的な関係にある、ということです。

効率的に分厚い知的ストックを作るためには、自分なりの好奇心やテーマを設定して、本と本を数珠でつないでいくようなイメージ、しりとりをやっていくようなイメージでインプットする。

・常に問いを持つ:なぜメモが大事かというと、メモが癖になると、〝感じること〟も癖になるからだ。人より秀でた存在になる不可欠な条件は、人より余計に感じることである。メモは、感じたことを確認するためにあろう。そしてメモを見直すことは、再び新しく感じることにほかならない。ではなぜ、〝感じること〟が大切なのかというと、感じなければ連想力が湧かず、連想力がなければ想像力(創造力)も生まれないからである。

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