アンナチュラルが大好きで、MIU404も好きなドラマ。塚原あゆ子監督×野木亜希子脚本とくれば、期待しないわけ行かない。そんな期待に見事に応えてくれた作品でした。アンナチュラルやMIU404のメンバーの出番は少なかったけど、それがなくとも作品は十分楽しめるものでした。
日常生活に今や欠かせなくなった通販。ポチっとして翌日届くのは当たり前。商品を梱包して家まで届けてくれるのに、配送料がかかるのに違和感を感じたり。そんな日常生活の裏側にこうした便利さを支えている人たちがいる。ニュースの世界では知っていたけど、高度にシステム化されたこの世界は、ちょっとしたロスで莫大な損害を生み出してしまう。だからそのシステムで働く人たちは、ひたすらシステムの部品となって、機械のように働き、効率化を支える。何かが起これば、立場の弱い人にしわ寄せが行く。そんな不条理が描かれる。このシステムの勝者は誰なのか。本社で高い給料をとっている人は勝者なのか？高い立場から、圧力をかける人が勝者なのか？ある意味彼らもシステムの一部で、不条理な世界を生きているだけなのか。資本主義は結局人を幸せにしないのか？荷物が届くのを心待ちにしている人がいる。壊れにくい丈夫な製品を待っている人がいる。その人たちの期待に応えることで、働く意義を見出している人がいる。彼らが経済的に報われることはないけど、素直に人の期待に応えることで、仕事に誇りを持てること、それは良いことなんじゃないかと思わされる作品でした。
監督：塚原あゆ子
脚本：野木亜希子
