りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

さがす

身内がALSで苦しんでいるとき、ただ頑張れといってできるだけ生かすことが正しいことなのか。ALSに限らず、決して回復できない難病、しかも苦しさだけでなく人間として生きる尊厳が失われていく姿を見て、果たして家族は、愛する家族のそういう姿を受け止め続けることができるのだろうか?それはいつもこうしたテーマの作品に出合うたびに思うことなのだけど、この作品はそれだけでないものが詰まっていた。
こうした本人や家族の苦しみを見て、殺人を請け負う人間がいる。しかも、それは単に苦しみの肩代わりではなく、人を殺すこと、遺体をバラバラにすることに快楽を覚えているとすら思える。それだけじゃないか。靴下をはかせて射精する。狂っているな。ただ、こういうことも含めて、色々な作品で表現されてきたもの。
この作品はさらにそこに父親が絡んでしまう。きっかけは、妻のALSだったのかもしれないが、そこから苦しんでいる人を助けるためでもなく、自分の快楽でもなく、単にカネのため?なのかこうした自殺幇助請負業の支援をするようになる。この父親が失踪した。父親を探すうちに、割と早い段階でこうした構図を読み切った娘。最後の娘の行動は正しい。それは正義というのではなく、何となく流されて、これだけのことをしてしまった父親の目を覚まさせる意味で正しい。でも、普通の人間が、そうサイコでもない普通の人間が、こうした狂気に踏み込んでしまうこと、そして、それを自分の中でなかったことにしてしまえる現実がちょっと怖かった。結局そういうことなんだろうか?

監督:片山慎三

脚本:片山慎三、小寺和久、高田亮

出演者:佐藤二朗、伊東蒼、清水尋也ほか

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