りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画

 冨山和彦さんの「コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画」を読みました。久しぶりに一気読みです。

まず、コロナショックについて。時間軸的にはL(ローカル)な経済圏の中堅・中小のサービス業が打撃を受け、次にG(グローバル)な経済圏の世界展開している大企業とその関連の中小下請け企業へと経済収縮の大波が襲っている。この段階での衝撃を受け損ねると、次は金融システムが傷んで今度は金融危機のF(ファイナンシャルクライシス)の大波が起きかねないというのが冨山さんの見方。そして、厄介なのは、この第二波は日本自身が国内の爆発的感染をうまく抑え込めても、主要市場である欧米で今のような状況が続き、後述する中国が爆発的な大量消費モードに戻らなければ、日本のグローバル大企業や関連する地域の中堅・中小企業に押し寄せてしまうことで、ことは日本だけの問題では済まないという見方。全く違和感は有りません。

こうした見方に対して、企業の生死を分けるのは、1)手元流動性(現預金)の 潤沢さ、2)金融機関との従来からの信頼関係、そして3)平時における稼ぐ力(特に営業フローの厚み)と自己資本の厚みだという。まずは利益よりキャッシュを大事にしろというのはTAのコンサルとしての経験が言わせるもの。判り易い。そして、経営は調整型ではなくトップダウンで、現実を見た正しい判断をすべき言っている。当該企業がもともと持っている組織能力、コアコンピタンス(企業の中核となる強み)に磨きをかけ、既存事業の競争力、収益力を持続的に「深化」させるとともに、イノベーション領域の新しい事業シーズを「探索」し、投資して取り込む組織能力をも具備した「両利き経営」ができる企業体へと進化しなければならいというのが結論だと思う。来月にはCXに関する本、いわゆるこの本の続巻が出るらしい。注目されるのはDXではなくCX。CXとは、破壊的イノベーションによる産業アーキテクチャーの転換が続く時代に、日本企業が会社の基本的な形、まさに自らのコーポレートアーキテクチャーを転換し、組織能力を根こそぎ変換することらしい。続巻が楽しみ。

コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画

コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画

  • 作者:冨山 和彦
  • 発売日: 2020/05/09
  • メディア: 単行本
 

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