実話を元にした作品。沖縄戦なので終戦が近いことは分かるけど、戦後2年以上、戦争が終わった事を知らず、ずっと援軍が来るのを木の上で待っていたという信じがたい話。何が怖いかっていうと、部隊がほぼ全滅する中で、彼ら、少なくとも上官は、おめおめと生きて帰れないと思っている事。援軍を待つという行為は、助けてもらうというより、戦って、一人でも多くの敵を倒して自分も死ぬ。そんな思いで木の上での生活を続けていること。英霊って本当に怖い。確かに日本のために戦って命をなくした人には感謝しかないわけだけど、英霊を思う気持ちは、「戦うことを諦めて生き残る。生き延びて再起する」という選択肢を奪ってしまう。英霊自身もそんな事を望んでいないと思うけど、身近な戦友が次々と命を落とす中で、残された者に合理的な判断を失わせてしまうのはある意味仕方がないことなのか。だからこそ戦争を始めたら簡単に終わらせられない。当然のことながら、家族を失った人には悲しみだけでなく、恨みも残してしまう。こういう戦争の教訓はやっぱり風化させてはいけないなと改めて思わされる作品でした。
