この映画って、色々な見方があるのだろうなと思うけど、14歳で妊娠してしまった彼女の転落人生を「怖いな」と思ってみてしまいました。子供が授からない夫婦、それもある程度経済的に恵まれた夫婦が養子縁組という形で逆に育てることができない親から生まれた子供を引き取るのは、社会にとってありがたい仕組み。ただ、人間はペットではないのだからそれで良かったという訳には行かない。育てられない親にも親としての感情はあるだろうし、育ての親にも血のつながりの無さ、産みの親が別にいるということに対する気持ちの整理、折り合いも必要なんだと思う。映画のモチーフはそんなところにあったのではないかと思うけど、14歳まで普通の、むしろ優等生だった少女が同級生を好きになり、お互いがお互いをたまらなく愛しいと思った結果の妊娠が彼女の人生を大きく、そして悪い方に変えてしまう恐ろしさを強く感じた。誰にも歓迎されない妊娠。確かに社会的に望ましいことではないけれど、そうすることで家族からも親戚からも虐げられ、生まれた子供は完全に否定され、人生は坂道を転げ落ちるように転落していく。そして、転落すると次々と社会のトラップにはまってしまう。立ち直れるチャンスも、救いの手も差し伸べられない。全否定。いつの間にか立派に子供を育てられない親にふさわしい姿になってしまう。何かめちゃ怖いなって思ってしまいました。
