プロフィットじゃなくて、ヴァリューです。

村上龍さんが主宰するJMM。このところ「編集長から」というタイトルで村上龍さんのコメントがいくつか来ています。今日もそうしたコメントがありました。ちょっと長いですがそのまま引用します。

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JMMは、これまで1度も儲かったことはないと先週書きました。そのことについて、伊藤穣一氏（現在はマサチューセッツ工科大学メディアラボ所長）に愚痴をこぼしたことがあります。伊藤氏は、わたしがインターネットをはじめてすぐのころ、坂本龍一の紹介で会いました。IT、インターネットに関して、わたしがもっとも信頼を寄せる人物の一人です。最初の出会いから一貫して、「インターネットは儲からない、なぜならあまりに民主的なメディアだから」というのが彼の持論でした。わたしなりに解釈すると、インターネットにおいては利益を得ることよりもっと優先されるべきことがある」ということだろうと思います。「JMMというメールマガジンをやっているんだけど、持ち出しばかりで、まったくお金にならない」とわたしがこぼしたとき、「村上さん、その考え方は間違ってます」と伊藤は、はっきりと言いました。「重要なのは、プロフィットじゃなくて、ヴァリューです。JMMは、利益は出ていないかも知れないけど、価値は生み出してると思います」
　非常に説得力のある言葉でした。わたしがJMMのことを考えるとき、ベースには、常にその伊藤氏の言葉があります。