福井晴敏さんの「震災後」を読みました。福井さんというと「亡国のイージス」だったり「終戦のローレライ」が有名というか代表作だと思いますが、ちょっと趣が違って、これはこれで良かったです。この本の中で、「未来の反対語は将来だ」という話が出てきます。将来は放っておいても自然に来るもの、そしてそれは個人に対する未来形なのだけど、未来は期待し創り出すもので、Weに対する未来形なんだと私は受け取りました。震災があって、原子力発電所がとても危険なものであると判りながら、それに依存しないと未来が描けない矛盾。でも、絶望だけが未来じゃない。こんな時だから、あえて未来のことを考えたい、そういう福井さんの意思が伝わってくる作品でした。
- 作者: 福井晴敏
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/03/06
- メディア: 文庫
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