りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

じいさん 200207

18:54に父が永眠致しました。残念ながら死に際に間に合うことができませんでした。死亡診断書には18:54という時間が記録されていますが、実際はその約1時間前には心肺停止状態だったそうです。私に電話があったのが18:15分ごろ、もらった電話は既に心肺停止状態だという連絡でした。

ただ、本当に良く頑張ってくれたと思います。先月22日に看取りの宣言を受けてから、何も食事ができない状態で、1日わずかな水分補給だけでここまで頑張ってくれました。なので、心の準備は十分整っていました。すんなりと父の死を受け入れることができました。特にこの2週間は、ほぼ毎日父のところへ通い、僅かながらの会話をし、手を握り、感謝の言葉を伝え、十分にお別れの準備ができたと思います。

それでもやっぱり泣きました。どんなに心の準備ができていたとはいえ、涙が出てきました。父との接点はほとんど母が亡くなってからのものですが、振り返ると本当によくあの家で自分を私立の大学の大学院まで通わせてもらえたと、それはもう奇跡でしかないような気がします。本来ならもっともっと恩返しをすべきだったのだろうと、いつも後悔は先に立たずです。

葬儀屋さんの霊安室は木場にあって、父の亡骸をそこまで運んでもらいました。駆けつけてくれた奥さんと里緒、姉夫婦と一緒にそこまで行って、線香を上げて帰ってきました。帰りは門前仲町まで歩いて奥さんと里緒と3人で特製親子丼を食べてきました。何だかとても美味しかった。こんな美味しいものを親父さんに食べさせてあげたら良かったなと改めて涙が出てきました。元気なうちに、もっともっと美味しいものを食べさせてあげたら良かった。もっといろいろなところに連れて行ってあげたら良かった。本当に悲しい。

じいさん 200206

夕方、姉から連絡あり。今日は何が何でも会社の帰りに親父さんのところに寄るようにいわれた。一転して具合が悪くなったらしい。

今日は車椅子への騎乗禁止。無理に乗せると気を失ったようになってしまい、ドクターストップがかかったらしい。当然お風呂も見送り。夜、私が着いた時もやや薄眼を開けただけで静かに眠っていた。手が冷たい。

顔つきが少し険しくなっている。昨日とは様子が大分違う。1時間以上いたけど、結局言葉は発せず。少し、手を動かして意思確認はできた。

姉からの連絡で奥さんも来たけど、とりあえず今日は大丈夫そう。

じいさん 200205

今日も比較的暖かい一日。夜、親父さんの施設に行くと既にベッドに入っていたけど、しっかり目を開けていた。今日は、比較的口数も多く、元気だった模様。顔も何だかとても引き締まって見える。痩せてはいるけど、健康だった昔を思い出させる。

二人きりになって、出された手を握ると「今日、明日の命」と絞り出すような声で言った。後は何もしゃべらず。でも、顔色はよさそう。

明日から寒さが襲来するようだけど、天気の変わり方が心配。とりあえず、今日は大丈夫。

じいさん 200204

今日も帰りに親父さんのところに行ってきました。驚いたのは夕食の食卓にきちんと座っている。眼もしっかり開けて、前を向いていました。こちらが行くと、気が付いて軽く手を上げる・・・痩せてしまったことを除けば、1年前くらいの親父さんと同じような感じでした。確かに食事はできない。今日も水を50cc程度飲んだだけとのこと。でも今日は不思議と元気でした。もちろん話もあまりできない。でも、時々ポツリと話す。部屋に入って、クイズ番組を見ていた時、「難しくて判らないな」とポツリ。えっ、クイズが判っていたの?本当にびっくりしました。

帰り際にまた手を握る。でも、今日は握手して離れたような感じ。特に力強くもなかったけど、離さないということもなかった。ごく自然に、また明日という感じでした。食事や水分補給、排尿の状況を見る限り喜べる状況は何もない。回復の兆しも何もない。でも、日によってこういう日があるというのは一つの喜び。今日は今日で大切な思い出にしたい。

日中の興亡2025

 青山繁晴さんの「日中の興亡2025」を読みました。青山さんの本を読むといつも思うのは、やはり自分の足を使って、目と耳で情報を集めて、確かめて、自分の頭で考えることの大切さじゃないかと思う。何となくのイメージや人の話を鵜呑みにしてはいけないということ。

この本は2008年に書かれた本をベースに改題し、一部修正された本のようだけど、改めて今読むべき本だと思いました。中国という国がどういう国なのか。軍事力に裏打ちされた外交というのがどういうものなのか。そして、憲法を改めて考える必要性。中国の脅威を知って、中国のやり口を知って、外交はどうすべきなのか、そのために必要な準備は何なのか。本当に改めて考えさせられました。

青山さんの本によく出てくる葉隠れの話。備忘録としてメモしておきます。

武士道といふは死ぬことと見つけたり

恋の至極は忍ぶ恋と見つけたり

日中の興亡2025 (ワニブックスPLUS新書)

日中の興亡2025 (ワニブックスPLUS新書)

 

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今月の読書 1冊

1月からの読書10冊

じいさん 200203

今日も会社の帰りに親父さんの見舞いに行く。頑張ったけど19時にしか行けなかったので面会時間は30分。何か昨日より元気に見えた。先週は本当に落ち込んでいて、いつ悪い知らせが来るものかとドキドキしていたけど、昨日、今日は少し落ち着いて見える。少なくとも、もう少し頑張ってくれそう。

30分の間に、「水」といわれたのが4回。一口ずつ含む。「今日は少し元気そうだね」と話しかけたら、「歩けなくなった。もう、長いことは無い」と本人の弁。歩けなくなったのは1年以上も前だけど、時々こういう会話をする。でも、そういう話ができるのは先週までは考えられなかった。やはり少し調子が良いみたいだ。

面会終了時間。手を握って「また、来るからね」と声を掛けたら、ぐっと握り返された。強い力。昨日も驚いたけど、今日もまだ力が残っている。それだけでなく、離してくれなかった。まだ、大丈夫そう。

じいさん 200202

午後から親父さんの見舞いに行く。昨日、お風呂に入った報告を受けた。やっぱりお風呂に入ってスッキリしているように見える。部屋に入ると目を開けて、「水」という声が聴こえた。久しぶりに声を聴いた。急いで冷たい水を持ってきてもらい、ベッドを起こして水を口に含ませる。二口。少しむせた様だけどしっかり飲んだ。その後起きているのが苦しそうだったので、「寝る?」と聴いたら頷く。ベッドを倒して、いつものように横向きに体勢を変えようと、クッションの位置を動かしていたら、いきなり「さようなら、お世話になりました」といわれた。信じられない。ここ2週間くらい声も出せない感じだったのに、しっかりとそれだけしゃべった。悲しい。最初、何を言い出すんだと思ったけど、間違いなくそういった。怒ってしまった。「何でそんなこと言うんだって。まだ元気になれる。変なこと言っているんじゃないよ」って言ってしまった。散々病気に苦しめられて、床ずれに苦しめられて、本当はそんな苦しみから解放してあげたいのに怒ってしまった。そして涙がこぼれてきた。親父さんの目にも薄っすら涙がこぼれていた。昔、WOMANというドラマの中で、小栗旬さんが「『さよなら』を言わないのが家族」って言ったセリフを思い出した。そう家族だったら「さよなら」は言ってはいけない

手を出してきたので握る。しっかり握る。一度離したけど改めて握る。どこにそれだけの力が残っているのかというくらい、強い力で握られた。こんなことは初めてだ。でも、しっかりと握り返した。まだ、大丈夫。まだ、諦めないでほしい。何のためなのか判らないけど、ただ諦めないでほしい。