りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

じいさん 200202

午後から親父さんの見舞いに行く。昨日、お風呂に入った報告を受けた。やっぱりお風呂に入ってスッキリしているように見える。部屋に入ると目を開けて、「水」という声が聴こえた。久しぶりに声を聴いた。急いで冷たい水を持ってきてもらい、ベッドを起こして水を口に含ませる。二口。少しむせた様だけどしっかり飲んだ。その後起きているのが苦しそうだったので、「寝る?」と聴いたら頷く。ベッドを倒して、いつものように横向きに体勢を変えようと、クッションの位置を動かしていたら、いきなり「さようなら、お世話になりました」といわれた。信じられない。ここ2週間くらい声も出せない感じだったのに、しっかりとそれだけしゃべった。悲しい。最初、何を言い出すんだと思ったけど、間違いなくそういった。怒ってしまった。「何でそんなこと言うんだって。まだ元気になれる。変なこと言っているんじゃないよ」って言ってしまった。散々病気に苦しめられて、床ずれに苦しめられて、本当はそんな苦しみから解放してあげたいのに怒ってしまった。そして涙がこぼれてきた。親父さんの目にも薄っすら涙がこぼれていた。昔、WOMANというドラマの中で、小栗旬さんが「『さよなら』を言わないのが家族」って言ったセリフを思い出した。そう家族だったら「さよなら」は言ってはいけない

手を出してきたので握る。しっかり握る。一度離したけど改めて握る。どこにそれだけの力が残っているのかというくらい、強い力で握られた。こんなことは初めてだ。でも、しっかりと握り返した。まだ、大丈夫。まだ、諦めないでほしい。何のためなのか判らないけど、ただ諦めないでほしい。