りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

日本国史(下)

田中英道さんの「日本国史(下)」を読みました。昭和の部分に少し右傾化、ナショナリズムのようなものを感じたけど、上巻から通して読んで、求めていた日本人観のようなものが整理できたような気がする。特に、自然との共生、神道と仏教の根付き方、そして、神仏習合の考え方がこの本を通して読むことで自然に受け入れられた気がします。もう少し深めたい気がしました。

少し気になったところ。

・本来、仏教は個人宗教として自己の罪を悟り、それを自己陶治によって克服する自力本願が原点でした。ただ、祈れば救われるということになると、仏教徒は増えますが、本来の仏教が持っている部分が失われることになります。

・中国やヨーロッパでは、政権交代がそのまま歴史の断絶を作っています。それは支配する民族が変わるせいでもありますが、日本には文化と伝統を断絶させない一つの思考のパターンの連続性があると思います。それは日本の自然信仰、自然道の力です。

・(元寇の時の)国土防衛の態度は、自然に対する態度とよく似ています。受け入れて防ぎ、侵害しようとしないのです。こうした受け身の態度は日本人の生き方の原則になっています。

・「自由」があってこそ、「文化」が生まれ、階級よりも「役割分担」の社会があったからこそ、長い間「社会」が安定してきたのです。

・政治は必ず精神的な支柱が必要で、その中心的な役割を天皇が負っている。

天皇の権威があって初めて政治が安定する。

・能には日本的な表現の極北があると思われるのは、音量信仰や自然信仰と仮面劇が上手く折り合って表現されている点です。

・「もののあわれ」や「わび・さび」は、その背後の強烈な人間主義の表出を日本人好みの言葉のあやで表したもので、それは西洋の人間主義とほぼ同じなものです」