風俗嬢というのは、名前も知らないし、相手がどういう人なのかも知れない人と裸で肌を合わせる仕事なんだなって改めて分かったような気がする。その分、自分が見えるもの、聞くもの、触れるものから、相手がどういう人なのか、どういう状況にあるのか、そういうものを感じ取って接客しているんだろうなというのが感じられる作品でした。社会というのはとにかくめんどくさくて、必ずどこかに所属して、所属しているからにはグループ内の付き合いがあって、そこには序列もあって、複雑な人間関係も存在する。近いようで遠い存在が身近にたくさんいて、自らの存在を確認してもらえなくて、人との付き合いができなくなっている人たちに、ストレートに自分を見て、感じてくれるちひろさんというのは救いだったんだろうなと、そんな風に感じました。でも、やっぱり架純ちゃんは元風俗嬢って感じじゃないかな。
監督:今泉力哉
脚本:澤井香織、今泉力哉
出演者:有村架純