りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

前科者

途中まで、というかかなり最後の方まで、救いのないどよ~んと気の重くなる映画。犯罪を犯してしまう人には、やはりそれなりの背景と理由があって、一人の人間が善意でそこに関り、救おうとしても、無理であり、無力なんじゃないかと思わされる。この映画も、もしかしたらそういう無力感で終わってしまうのではないかと思ったけど、森田剛さん演じる工藤誠には伝わったのかな。更生は生まれ変わりだという。色々な過去を背負って、前科者になってしまった人たちは、やはり生き辛い世間に放り出されて、逃げ場のない閉塞感に襲われるのだろう。この世に生まれてしまった苦しみを味わうのだろう。そして、最後に有村架純さん演じる保護司佳代さんの言葉のように「法律や福祉ではどうしようもない救われない局面がある」のも事実だろう。そんな時、誰かがそっと寄り添ってくれることがどれだけの救いになることか。拘って保護司を続ける、その理由が判ったような気がした。本当は「花束みたいな恋をして」の絹のような架純ちゃんの方が好きなのだけど、無力さを感じながら、人の更生に寄り添いたいという保護司を架純ちゃんが熱演していたと思う。それに、森田剛さん。本当に凄いね。完全に悲しい過去と前科を背負った冴えない中年男を見事に演じている。ドラマも見ていたけど、この作品はさらにパワーアップされているような気がした。

監督:岸善幸

脚本:岸善幸

出演者:有村架純森田剛磯村勇斗

前科者