りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

娼婦の本棚

鈴木涼美さんの「娼婦の本棚」を読みました。慶応大学を卒業し、東京大学の大学院を修了、日経新聞の記者を経て作家という鈴木さんの経歴を見ると、どこから見てもエリート。父は大学教授で、母は翻訳家というと育ちの良さまで感じてしまう。が、彼女は女子高生の時代にブルセラ援助交際を経験。大学時代にはキャバ嬢やAV女優を経験し、女という性を売り物にして、ある意味刹那的な生活を送ったりしていたのだけど、そういう女性の生き方を、第三者の目線でルポルタージュ的に扱うのではなく、ある意味当事者として当事者の目線でモノを見、感じることを文章にしているところに鈴木涼美という作家の強みがあることは間違いないような気がする。

で、この作品。そういう時代を駆け抜けてきた彼女が、時代時代に手に取り、楽しできた本の一部を取り上げ、それを紹介するという立て付け。意外に自分は「モモ」とかの解説がとても印象に残りました。効率って何だろうか?大事なことだとは思うのだけど、効率を追求することで失っているものはないのか、そんなことを考えさせられました。改めて、彼女の思想はこうやって作られてきたのかというのが少しずつ理解できたような気がする作品でした。

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今月の読書 1冊

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