りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

そしてバトンは渡された

 瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」を読みました。本屋大賞を取った作品で、今度映画化されます。主演は永野芽衣さんだったと思うけど、お母さん役で石原さとみさんが出るので、ちょっと気になっていました。主人公の優子は、幼い頃から色々な事情があって、戸籍上の親、同居人が変わってしまうのだけど、幸いどの親からも愛情を注がれる。愛情の形って色々ある訳だけど、本当に幸いにして、色々な形の愛を成長の過程で十分に注がれて、最後は生涯の伴侶を見つけて結婚する・・・と言ってしまうと割と単純な話。ただ、子供を思う親の愛情の形は様々だし、表現の仕方も様々。血のつながりがないから、どこか遠慮や配慮があるのだけど、だからこその理解っていうのもあるような気がする。血がつながっていても、子供が成長して自我が確立していけば、親子の距離感ってそれぞれに難しさがあるから、ある意味同じようにも思うけど、やっぱり血のつながりって大きいかな。そこに無条件のっていう表現があるような気がして、逆に血のつながりがあるからこそ、無条件な行動が許されるような気もして、それはそれで考えさせられる作品でした。

一方で、高校の時、彼の奏でるピアノの演奏に特別な感情を持った。最初は単に音だったのかもしれないけど、それを紡ぎだす技術、ピアノへの向き合い方、音楽に対する考えなど、一つの演奏が、そういう全ての集大成として表現される。そういうものに惹かれるっていうのはどこか運命のような気がする。それは優子のピアノへの向き合い方、音楽や食に対する考え方が、特別な気づきにつながって、特別な縁となって結ばれる感じかな。むしろこういう結ばれ方もとても魅力的だなと感じてしまいました。

そして、バトンは渡された (文春文庫)

そして、バトンは渡された (文春文庫)

 

[DATA]

今月の読書 2冊

1月からの読書 16冊