りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

女と男 なぜわかりあえないのか

 橘玲さんの「女と男 なぜわかりあえないのか」を読みました。「言ってはいけない」シリーズの進化生物学の視点からの本。まとめるのも何なので色々ピックアップしてみました。

・「男女平等」の世の中では、「男と女は同じでなければならない」とされている。これは一般に「政治的正しさ(Political Correctness/PC)」と呼ばれている。 これについての私の意見はシンプルで、「男と女は生物学的にちがっているが、平等の権利を持っている」になる。
・男と女も同様に、空間把握能力、言語運用能力、共感力、攻撃性などに(わずかな) ちがいがあるが、その傾向は一貫しており、それが累積して、私たちが当たり前に受け入れている「男らしさ」「女らしさ」につながる。
・30 歳以上の男にとって、 35 歳以上の女は存在しないも同然」
・婚活に有利なグループはある。それは「 20 代前半の女性」と「社会的・経済的に成功した男性」だ。
・アダルトビデオや風俗業を違法にするのは、エロス資本に依存するしかない女性たちから生きる方途を奪う「虐待」だ。
・さまざまな調査で若い女性の幸福度は同世代の男性よりずっと高い。若い女性がとてつもなく大きなエロティック・キャピタルを持っていることで説明できるだろう。
・「愛の不毛」を進化論的に説明するなら、「乱交」戦略の男と「純愛」戦略の女の利害対立となる。その結果、男は浮気の欲望をがまんしなければならず、女は男の浮気に耐えなくてはならない。
・男の子のテストステロン・レベルは、9歳から 15 歳までに 20 倍も増え、世界は激変する。セックスのことしか考えられなくなるのだ。男の子のもうひとつの顕著な特徴は、性ホルモンのレベル、すなわち脳の状態が常に一定であることだ。その結果、朝から真夜中まで、昨日も今日も明日も女の子のことで頭がいっぱいに
エストロゲンには脳を活性化させる効果があり、月経周期の最初の2週間、女の子は穏やかで人づき合いがよくなり、頭脳明晰で記憶力も向上する。14 日目頃に排卵があり、プロゲステロンが主として卵巣から大量に分泌されて、エストロゲンによって活性化された脳を鎮静化させる。その影響で苛立ちがつのり、集中力がなくなって、頭の回転が鈍くなったように感じることがある。
・女性の場合、テストステロンのレベルも月経周期で変動し、排卵期に最大になる。テストステロンは性欲と関係し、排卵の前後は妊娠確率が高くなるから、この時期に性的関心が強くなるのは自然で、ヒト以外の動物では発情期にあたる。
・男女の「友情」にはひとつ条件がある。その男が、もっと魅力的な女と性愛関係にあることだ。その関係が破綻し、ほかに性愛の対象となる女性がいなければ、友情はたちまち欲望へと変わるだろう。

・女性の脳は男の地位と性的魅力が一致するように「進化」してきた。男は会社、軍隊、政治、ヤクザの世界でも、あらゆる組織でトップを目指してはげしい権力闘争をする。ところがいくら男女平等でも、女性はこのような闘争をするように「設計」されていないから、ものすごく不利だ。
ドーパミンの効果は「快感」ではなく「快感の予感」、すなわち「なんとしてでも手に入れたい」という強烈な衝動だったのだ。
・恋愛によってドーパミンが大量に産生される状態は、6カ月から8カ月程度しかつづかない。その後は、オキシトシンやバソプレッシンによる愛情や信頼関係に移っていく。
・進化論的には、強い性欲は、女をめぐって競争する男だけにあればいい。

・女にとってのエロスとは、「アルファから愛されること」なのだ。
・男の「ポルノトピア」であるAVでは、なんの脈絡もなく男と女がセックスを始める。一方、ロマンス小説で重要なのはセックスではなく、そこにいたるまでの物語だ。
・進化論的には、男は「競争する性」、女は「選択する性」として「設計」された。  少年マンガでスポーツが好んで描かれるのは、「競争」が男性読者を夢中にさせるからだ。それに対して少女マンガで描かれるのは、ヒロインの「選択」だ。  ロマンスとは、アルファの男にヒロインが「選ばれる」ことではない。複数の魅力的な男たちのなかから、ヒロインが主体的にアルファの男を「選ぶ」のだ。  
・女の回答者の 83%が、彼氏がほかの女とセックスするよりも、深い感情的なつながりがあることに嫉妬するということだ。
・男は女の「性的な浮気」に不寛容で、女は男の「感情的な浮気」に不寛容だ。
・婚活サイトのビッグデータの分析では、男の関心が「若さ」に集中する一方で、女の興味は「収入と資産」に集まることがわかっている。そんな「金持ちの男」とセックスすると、女はオーガズムに達しやすい。 「利己的な遺伝子」は、健康で魅力的な男だけでなく、社会的・経済的に成功した男にも惹かれ、その子どもを産むようなプログラムを女の脳に埋め込んだのだ。

・ヒトはもともと「乱婚」で、女が喘ぎ声で男を惹きつけ、男は亀頭冠のある長いペニスで精子競争をする。女だけが連続してオーガズムに達することができるのは、1人の男と繰り返し愛し合ったからではなく、複数の男と次々とセックスするためなのだ。  そのうえ女は、「いく」か「いかない」かでどの男の精子を子宮に受け入れるかを(無意識に) 選択している。そのとき選ばれるのは、身体的に魅力的だったり、より多くの資源を持っていたりする、遺伝子を後世に残すのに有利な男だ。
・自分への肯定感が高い女性の被験者は、魅力的な女性の応募者を低く評価することはなかった。それとは逆に、自尊心の低い被験者は、魅力的な女性の応募者をきわめて低く評価したのだ。
・美人は、すべての男から高く評価され、自己肯定感の強い女性から正当に評価されるものの、自尊心の低い女性から攻撃されるリスクを負っているのだ。
・男が集団に最適化しているのに対し、女は一対一に最適化している。
・「外見」より重要な要素があることが示されている。それが、女の「若さ」と男の「カネ」だ。
進化心理学は、「男は同性間競争によって社会的な支配力(パワー) を獲得するよう進化し、それに合わせて女は支配的な男に魅力を感じるように進化した」という膨大なエビデンスを積み上げている。
・男は強すぎる性欲に苦しみ、女は強すぎる共感力に苦しむ」というのが(とりあえずの) 結論になった。

女と男 なぜわかりあえないのか (文春新書)

女と男 なぜわかりあえないのか (文春新書)

 

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