りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

日本人の9割が知らない遺伝の真実

 安藤寿康さんの「日本人の9割が知らない遺伝の真実」を読みました。ある程度予想されていたけど、ファクトに近いところの記述で気になったところを抜き出してみた。やはり遺伝の要素って見過ごせない要素だし、できないことを無理に頑張らせるのは間違いなんだなということが良くわかりました。

・音楽や執筆、数学、スポーツの才能に関しては、軒並み遺伝の寄与率が 80%を超えています。外国語の才能についてのみ、共有環境の影響が現れています。
精神疾患発達障害についても、図7に見るように遺伝の影響が強く出る結果となりました。
・家庭における親の子育ての仕方は子どもがどう育つかにあまり影響を与えていないと考えられます。
・単純に遺伝子の効果を足し算するだけでは形質は説明しきれない場合があるということです。その代表例が、有名な「メンデルの法則」です。優性と劣性の関係がある場合がこれに当てはまります。

・子ども自身がそれぞれのことがらを好きか嫌いか、それらにどのぐらい時間を費やしているかについては、ほとんどが遺伝と非共有環境だけで説明できてしまい、共有環境として効いていないものが多いという結果でした。

・科学的な表現とはほど遠いのですが、遺伝的に突出した才能がある人は、他人が外から気づく前に自分の中で「見えている」のだと思います。自分にはこれができる、これが好きだ、逆にこれは向いていないからやめておけ。そうした内側から沸き上がってくる感覚というのは、自分が生まれ持っている遺伝をもとに、環境が出会ったときに生じるのだと私は考えています。そういう内なる感覚に導かれて、人は何かに専念し、そこにリソースを集中的に投入することで才能が発現していくのではないでしょう

・人間は年齢を重ねてさまざまな環境にさらされるうちに、遺伝的な素質が引き出されて、本来の自分自身になっていくようすが行動遺伝学からは示唆されます。

・子どもに好きでもないことを、これは「やり抜く力」を育てるためだといって強制的にさせることは、危険ですらあります。

・IQが低く、自制心が弱くて衝動的な人間は確率的に犯罪を起こしやすいことがわかっています。
・IQは 70%以上、学力は 50 ~ 60%くらいの遺伝率があります。

・収入の差は、通った大学のレベルによるのではなく、もともとの能力によるものなのです。

・素質が「ない」ことに無理にリソースをつぎ込むより、別のことにリソースをつぎ込んだ方がよほど合理的です。さもないと落ちこぼれという烙印を押して劣等感を植え付けるだけになってしまいます。

・仕事はたくさんの要素から構成されていますから、突出した才能を持たない人が他と比較して優位性のあるレベルにまで技能を高めるためには、やはり数年単位の時間が必要になってくると思われます。キーワードとなるのは、「絶対優位」と「比較優位」。
・最適な仕事を選ぶ基準とは、「得意」か「好き」のどちらかです

・あなたにとっての比較優位は「ローカルな絶対優位」になりえます。

・ワーキングメモリーを3つ以上持っていることで、人間は新しい概念を次々に思い付くことができ、さらに自分の知識を他者に教える「教育」が可能になりました。

日本人の9割が知らない遺伝の真実 (SB新書)

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