りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

GRIT やり抜く力

 アンジェラ・ダックワース教授の「GRIT やり抜く力」を読みました。確かに最後に成功するか否かは、個人が持っているそもそもの能力よりも「やり抜く力」なんだというのは説得力がありました。そして、そのやり抜く力を伸ばすこともできる。ただ、「やり抜く力」のモチベーションはどこにあるのか?それは競技で優勝したいとか、勝ちたいとか・・・でも、同じ競技をするにしても、最初からオリンピックで金メダルを獲りたいと思うか、オリンピックに出られたら良いと思うのか、はたまたオリンピックは無理でも国体くらいは出たいと思うのかで、やり抜く力も変わってくるように思いました。それは環境なのかもしれません。女子レスリングのように、金メダルを獲るのが当たり前のような環境があると、自然とモチベーションがあがるのかもしれません。それが「やり抜く力を外側から伸ばす」ということなのかも知れません。あとは、「成功する練習の法則」は説得力があり、確かにできていないなと・・・そんな風に思いました。

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第1章:「やり抜く力」の秘密
なぜ、彼らはそこまでがんばれるのか?
第2章:「才能」では成功できない
「成功する者」と「失敗する者」を分けるもの
第3章:努力と才能の「達成の方程式」
一流の人がしている当たり前のこと
第4章:あなたには「やり抜く力」がどれだけあるか?
「情熱」と「粘り強さ」がわかるテスト
第5章:「やり抜く力」は伸ばせる
自分をつくる「遺伝子と経験のミックス」

[PART2]「やり抜く力」を内側から伸ばす
第6章:「興味」を結びつける
情熱を抱き、没頭する技術
第7章:成功する「練習」の法則
やってもムダな方法、やっただけ成果の出る方法
第8章:「目的」を見出す
鉄人は必ず「他者」を目的にする
第9章:この「希望」が背中を押す
「もう一度立ち上がれる」考え方をつくる

[PART3]「やり抜く力」を外側から伸ばす
第10章:「やり抜く力」を伸ばす効果的な方法
科学では「賢明な子育て」の答えは出ている
第11章:「課外活動」を絶対にすべし
「1年以上継続」と「進歩経験」の衝撃的な効果
第12章:まわりに「やり抜く力」を伸ばしてもらう
人が大きく変わる「もっとも確実な条件」
第13章:最後に
人生のマラソンで真に成功する

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・困難に対処する力は才能とはほとんど関係ないということだった。訓練の途中で辞めていった者たちは、才能がなくて辞めたわけではない。それよりも重要なのは、マシューズの言葉を借りれば、「絶対にあきらめない」という態度だった。
・要するに、どんな分野であれ、大きな成功を収めた人たちには断固たる強い決意があり、それがふたつの形となって表れていた。第一に、このような模範となる人たちは、並外れて粘り強く、努力家だった。第二に、自分がなにを求めているのかをよく理解していた。決意だけでなく、方向性も定まっていたということだ。
・ゴルトンは結論として、偉業を成し遂げた人物には3つの顕著な特徴があると述べた。すなわち、稀有な「才能」と、並外れた「熱意」と、「努力を継続する力」をあわせ持っていることだ。
・「あまりに完璧なものを見たとき、我々は『どうしたらあんなふうになれるのか』とは考えない」。その代わりに「魔法によって目の前で奇跡が起こったかのごとく熱狂してしまう」。
・「才能」とは、努力によってスキルが上達する速さのこと。いっぽう「達成」は、習得したスキルを活用することによって表れる成果のことだ。
・私たちは、新しいことを始めても長続きしないことが多い。しかし「やり抜く力」のある人にとっては、一日にどれだけ努力するかより、くる日もくる日も、目が覚めたとたんに「きょうもがんばろう」と気合いを入れ、トレッドミルに乗り続けることが重要なのだ。
・努力によって初めて才能はスキルになり、努力によってスキルが生かされ、さまざまなものを生み出すことができる。
・チームが首尾よく成し遂げるべきことは山ほどあるが、その屋台骨となるビジョンを確立することこそ、もっとも重要である
・最上位の目標は、ほかの目的の「手段」ではなく、それじたいが最終的な「目的」なのだ。 心理学では、これを「究極的関心」と言う
・「やり抜く力」が非常に強い人の場合、中位と下位の目標のほとんどは、何らかの形で最上位の目標と関連している。それとは逆に、各目標がバラバラで関連性が低い場合は、「やり抜く力」が弱いと言える。
・目標のピラミッドが全体としてひとつにまとまり、各目標が関連性をもって、整然と並んでいる状態が望ましいのだ。
・成功するには「やるべきこと」を絞り込むとともに、「やらないこと」を決める必要がある。
・「やり抜く力」というのは、重要性の低い目標にまでしがみついて、どれもこれも必死に追い続けることではない。
・「何度やってもだめだったら、ほかのやり方を試すこと」
・人間の抽象的な思考能力は、どんどん高くなっているのだ。
・ほとんどの人は人生経験を重ねるにつれ、より誠実になり、自信や思いやりが増し、穏やかになることがわかっている。
・「なにをするにしても、自分のやっていることに情熱を持っていない限り、長続きはしないことがわかるでしょう」
・自分の興味があることを掘り下げるにしても、練習に励み、研究を怠らず、つねに学ぶなど、やるべきことは山ほどある。だからこそ言っておきたいのは、好きでもないことは、なおさらうまくなれるはずがないということだ。
・スキルは3つの段階を経て進歩し、各段階につき数年を要する
・威圧的な両親や教師は、子どものやる気を損なってしまうことがわかっている。
・エキスパートと初心者では動機付けの方法が異なって当然だということだ。
・エキスパートたちは、ただ何千時間もの練習を積み重ねているだけではなく、エリクソンのいう「意図的な練習」(deliberate practice)を行っている。
・ひとりで練習する時間が多い人ほど、スキルの上達が早いことがわかっている。
・すみやかにフィードバックを求めること、そして否定的なフィードバックにしっかりと対処することは、どちらもきわめて重要だ。
・改善すべき点がわかったあとは、うまくできるまで何度でも繰り返し練習する。
・小さな弱点の克服をこつこつと積み重ねていくことが、驚異的な熟練の境地に至る道なのだ。
・「やり抜く力」の強い生徒は、「やり抜く力」の弱い生徒よりも練習時間が長かった。 しかし、今回の調査でわかったもっとも重要なことは、時間の長さよりも「どんな練習をしているか」が決め手になることだった。ほかのどんな練習よりも「意図的な練習」が、大会を勝ち進むための要因になっていることがわかったのだ。
・自分ではわかっているつもりでいたことが、実際にはよくわかっていなかったことに気づけることだ。
・選手として最盛期を迎え、世界で活躍している選手たちにとっても、「意図的な練習」ができるのは最大1時間で、そのあとは必ず休憩を入れる。どんなにがんばっても、1日に3~5時間が限界だという。
チクセントミハイは、エキスパートのみが体験する状態を「フロー」と呼んでいる。自分のやっていることに完全に集中していて、「まるで体が勝手に動いているように感じる」状態だ。
・「意図的な練習」は準備の段階で、フローは本番で経験するものだと言える。
・自分のスキルを上回る目標を設定しては、それをクリアする「練習」を何年も続ける。それによって挑戦すべき課題にじゅうぶん見合ったスキルを身につけた結果として、フローを体験すると考えれば、エリート選手がみごとなパフォーマンスを軽々とこなしているように見えるのもうなずける。
・「やり抜く力」の強い生徒は、ほかの生徒たちよりも大変な思いをして「意図的な練習」に取り組んでいたが、同時に「楽しさ」もよけいに感じていた
・「意図的な練習」を最大限に活用するための第2の提案は、「習慣化すること」。
・「目的」という言葉の中心的な概念は、「自分たちのすることは、ほかの人びとにとって重要な意味を持つ」ということになる。
・「やり抜く力」のきわめて強い人は、自分にとっての究極の目標は、自分という枠を超えて、人びとと深くつながっていると考えている、ということだ。
・「無力感」をもたらすのは苦痛そのものではなく、「苦痛を回避できないと思うこと」だということが初めて証明された。
・回避できない苦痛は、食欲減退、睡眠障害、注意力や身体活動の低下など、うつ病の症状をもたらすことが明らかになった。
・逆境を「永続的」で「不特定的」なものとして受けとめると、小さな失敗を取り返しのつかない大失敗のように感じてしまう。そうすると、もうあきらめるしかないと思ってしまうのだ。
・おとなになって成功や失敗をしたとき、その原因を自分の才能に結びつけるか、それとも努力に結びつけるかは、子どものころの「ほめられ方」によって決まる確率が高い。
・子どものころになにかを乗り越えた、うまくできたという経験は、ずっとあとにまで効果をおよぼすと私は考えている。
・子どもの能力を最大限に引き出すには、愛情と自由を与えるとともに、限度を示すことも必要であることをよく理解している。
・結局、重要なのはその子がどう思うかだ。
・「やり抜く力」の鉄人たちは、親のやることをただまねるようになっただけでなく、親を手本とするようになったのだ。
・「最難関の大学には入れないかもしれないけど、努力すればチャンスはある。でも努力しなければ、最初からチャンスはないんだと思ったんです」
・学校の勉強は大変で、多くの子どもにとっては、本質的に面白いものではない。友だちにメールを打つのは楽しいが、やりがいはない。では、バレエはどうだろう? バレエは大変だけれど楽しいのだ。
・ETSの科学者たちは、高校の成績と試験のスコアだけでは、おとなになってからの成功を予測できないことを、ほかの誰よりも知り尽くしていた。
・「最後までやり通す」という項目における数値評価の高さは、生徒の数年後の成功を如実に示していた。
・高校のときに大変なことを最後までやり通すことを学ぶのが、おとなになってから大変なことをやり遂げるために、なによりの下地になると思うと述べた。
・青年期に何らかの活動を最後までやり通すことは、やり抜く力を要するとともに、やり抜く力を鍛えることにもなる
・人は自分の性格に適した状況に引き寄せられるが、その結果、さらにその特徴が強化される
・敵愾心の強い青年たちの多くは社会的地位の低い職業に就いており、生活費を稼ぐのにも苦労していた。そうした状況のせいで、さらに敵愾心が強くなり、ますます就職が難しくなっていた。 それとは対照的に、人付き合いのよい青年たちは、人格形成の好循環を経験していた。好青年たちは社会的地位の高い職業に就き、経済的な安定も手にしていた。そして、そのおかげでますます社交的な性格になっていた。
・高校時代にそれだけ必死に部活に打ち込んで、鍛錬を積んできた生徒なら──それだけやり抜く力が強ければ──どんなことをやっても同じように熱心に取り組める、ということだ
・勤勉さは練習によって身につけることができる
・動物は、体験をとおして「努力と報酬の関連性」を学ばない限り、放っておくと怠けてしまうようにできているらしい。
・情熱や粘り強さは、冷静な損得勘定からは生まれない場合もある。そういうときに底力を発揮するのは、「自分はこういう人間だ」という矜持にほかならない。
・「才能はめずらしいものではない。偉大な選手になれるかどうかは、才能を伸ばすためにどこまで努力できるかにかかっている」
・チームのコアバリューのうち半分は、チームワークに関するもの。あとの半分は「やり抜く力」に関するものだ。
・「人生の真の喜びは、自分自身の行動によって幸せをもたらすことである。つねに病気や不満の種に怒ってばかりいる、身勝手な愚か者に成り下がり、世の中は自分を幸せにしてくれない、などと嘆くことではない」
・「成功には終わりがない。失敗は致命的ではない。大切なのは勇気だ」
・あれは最悪の決断ではなく、ただ最悪の結果に終わったに過ぎない
・「やり抜く力」は伸ばせるということ。
・「やり抜く力」を自分自身で「内側から伸ばす」方法。具体的には、「興味を掘り下げる」「自分のスキルを上回る目標を設定してはそれをクリアする練習を習慣化する」「自分の取り組んでいることが、自分よりも大きな目的とつながっていることを意識する」「絶望的な状況でも希望を持つことを学ぶ」などの方法がある。
・「外側から伸ばす」方法だ。親、コーチ、教師、上司、メンター、友人など、周りの人びとが、個人の「やり抜く力」を伸ばすために重要な役目を果たす。
・自分の潜在能力を最大限に生かすことこそ、かけがえのないことだとわかっているのだ。
・「天才」としか思えないような人びとは、つねに「もっとうまくなりたい」という強い意欲と、興味と、探究心を持ち続け、地道な努力を長年継続しており、それこそがまさに「超人的」であることだ。
・本当にやりたいことが、誰にでもすぐに見つかるわけではない。しかし、大きな目標が決まったときに、粘り強く努力を続けられるかどうかは、子どものころからの経験や教育が大きく物を言う。

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

 

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