りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

ある男

 平野啓一郎さんにはまっています。最新刊の「ある男」を読みました。九州宮﨑で林業を営むある男性が事故で無くなった。彼は事情があって生まれ故郷を捨て、この過疎地の村に移り住んできた人間で、真面目で実直、家庭では良き父親だった。一周忌を機に疎遠になった実家に連絡を取ったことから彼がその人ではないことが判った。所謂戸籍交換。彼は何故戸籍交換しなければならなかったのか。戸籍交換しなければならないほどの過去を背負っているのか。物語の主軸はそこなのだけど、在日三世の主人公弁護士は調査の過程で色々なことを知るとともに、在日であることからくる彼自身の苦しみにも直面する。主人公をめぐる様々な問題が横糸であって、自分という人間のしがらみを考えさせられることになる。平野さんならではのしっかりとした文章、全体の話の流れ、様々な伏線。満足度の高い小説でした。

ある男

ある男

 

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