村上春樹さんの「騎士団長殺し」ついに読了しました。やっぱり村上春樹ワールドっていうのはとても独特で、ストーリーだけを語るとそれほど面白い感じでもないし、推理小説にあるような、なるほどと思わせるトリックがある訳でもないのだけど、とにかくグイグイと読むものを惹きつける魅力があります。時間があればずっと読んでいたくなるような小説。それに登場人物がとても魅力的で、彼が作品の中でウイスキーを飲めば、ウイスキーを飲みたくなるし、クラッカーを食べれば、クラッカーを食べたくなる。ジャガーやプジョーという車も面白い。
さて、肝心の作品。騎士団長を殺したことで主人公には何が起こったのか。この小説には、柚(元奥さん)、小径(妹)、秋川まりえ(絵画教室の生徒であり、絵のモデルにもなってもらった少女)という鍵を握る3人の女性がいて、3人には共通点があって、騎士団長を殺したことでその関係性に変化があったのは事実なんだと思うけど、それが何を意味するのか。ちょっと理解しきれなかった。それでも、満足させてしまうのが村上春樹小説の凄さなのかな。
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