りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

誤解だらけの人工知能

 田中潤さん、松本健太郎さんの「誤解だらけの人工知能」を読みました。田中さんは人工知能の研究者であり起業家。松本さんは本業はデータサイエンティストなんだと思いますが、この本での役回りはライター。ある程度人工知能の現場を知っている人間が、人工知能の専門家の話を聴いてまとめるというありがたい本です。

この本では、「2018年時点の人工知能とはディープラーニングです」と言い切っていること、そしてディープラーニングにできることは「分類」だと言い切っているところがすごいです。あと、「人工知能は知能の再現であって、人間の再現ではない」というのも判りやすい。人間とは・・・的な哲学的なところには踏み込まないで、純粋に知能に焦点を当てているというのが判りやすいかもしれません。

この本の一つのポイントは「ディダクション」じゃないかと思いました。よく言われることですが、人工知能というかディープラーニングは、なぜ当たったのか、なぜ外れたのかを説明できない。それは、ディープラーニングが抽出している特徴量をきちんと説明していないからなのかもしれないけど、「なぜ」を説明できるようになると人工知能はもう一段高いレベルに到達する。学習データも少なくできるようになるらしい。そういう意味で?「帰還した爆撃機」の話は参考になった。帰還した爆撃機にはコックピットと尾翼に銃痕が無かった。この「無かった」ことからそこがポイントだと推理する力は人間ならなのかもしれない。アマゾンのレコメンドでもそうなのだけど、購入履歴からレコメンドする能力は確かに凄いけど、レコメンドしても買わなかった履歴は全く使われていない印象を受けたりする。ただ、確かにモデリングするとき、買わなかったデータって使いようがないんだよな・・・個人のつたない経験でいうと。まあ、この辺が今後のポイントの一つになりそうというのが良くわかりました。

人工知能の分野で日本は米中に周回遅れであることや、これからはデータを保有する企業が誰よりも強いというのは予想された内容。今日の日経新聞でも「データの世紀」という連載が1面で始まっていた。とにかく、データです。

この後、「信用」の話と人工知能に労働が代替された世界での「ベーシックインカムの必要性」のような話が出てくるのだけど、そこのところは今一つ消化不足。もうちょっと時間をかけて考えたい。あとは、Pythonを勉強しないと・・・

 

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