りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

人工知能と経済の未来

 井上智洋先生の「人工知能と経済の未来」を読みました。先生の本はこれで3冊読んだけど、やはりこの本を最初に読むべきでした。この本の前半が「人工超知能」に後半が「AI時代の新・ベーシックインカム論」でさらに展開されたような気がする。そういう意味では先に続く2冊を読んでしまって、改めてここに戻ってきて書くべきことも少ないような気もするけど、あとがきに書かれていたバタイユの話が印象的。バタイユは有用な営みに覆われた人生は奴隷的と考え、有用性の対極に至高性を対置している。なぜ、有用性が奴隷的なのかというと役に立つが故に価値があるものは、役に立たなくなった時点で価値を失うので、その価値が独立的でないというのだ。AIやロボットが進化し、人間にとって有用なことはどんどん機械によって提供されるようになる。故に人間の価値も有用であることではなく至高性があることに価値が見いだされるのだと解釈すべきらしい。何だか今の価値観を180度変えるような考えでもあり、またそういう時代が来る可能性を考えると、とても示唆に富む内容だったように思う。

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