りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

VWのニュース ルールベースなのかプリンシプルベースなのか

最初はデータの改ざん?くらいに思っていたVWの事件。元になった論文とその解説を読んで、この事件のことの深さを知ったような気がします。簡単に言えば、規制はあるルールに基づいて規制値を設定している。具体的に言えば、特定の走行パターンを決め、そのパターンで走ったときの有害物質の排出量を一定以下にしようという考えだ。ある意味メカニカルなアナログな技術であれば、代表的な走行パターンで規制を掛ければ他の走行パターンでも概ね有害物質の排出量は比例関係で見られるであろうという前提に立っているのだろう。しかし、デジタルな技術は必ずしもそういう関係は成り立たない。いや、特定の範囲で特定の制御を掛けるということがやりやすい。今回のVWの問題がまさにこれで、規制の走行パターンではNOXの排出量が抑えられるが、それ以外では必ずしもNOXは制御されない。その分走りや燃費が良くなるという寸法だ。見かけ上は走りと燃費とクリーン性能を両立させたように見えるけど、実はクリーン性能は見せかけだったという顛末。走りや燃費はユーザーが使っている中で目に見えてわかるけど、NOX排出量は専門家だってわからない。巧妙といえば巧妙。エンジニアの立場から言うと、規制というルールは守ったということなのでしょう。ルールベースで考えれば、むしろ悪いことをしたという意識はないのかもしれない。しかし、この規制のプリンシプルは何だったのか。それを考えればVWのやったことは社会倫理に反することと批判されて当然であろう。規制はルールベースで縛るべきなのかプリンシプルベースで行くべきなのか。ルールを決めてしまえば違法性は明らかだし、取り締まることも指導することも簡単。しかし、それが今回の事件を生んだ。翻って、国際金融規制。どんどんどんどんルールが追加されていく。ルールに追いつくのが精いっぱいという感じだ。そこに規制の意味、プリンシプルを考える余裕が生まれるだろうか?VWを批判する人は、国際金融規制についても声をあげるべきと思う。