AmazonPrimeで鑑賞。原作はずいぶん前に読んだ記憶があるけど、大分忘れてしまった。ただ、いろいろな事情で、自分の名前を捨て、別人として人生をやり直したいという人がいるのは事実。本当のその人でなかったにせよ、その人がその人として生きていた時間を一緒に過ごしていた人にとっては、名前はある意味どうでも良いこと。忌まわしい過去を捨てて、新しい人生を一緒に歩んだ人として記憶に留めておけば、それはそれで良いのだろうなと思ってしまった。ただ、ある人は自業自得で、またある人は周囲の環境によって、その名前で生きることがつらくなるのは事実。人生は何度でもやり直せるとは言っても、やり直せないこともある。そういう宿命を背負ってしまった人にとって、名前は何とも厄介なものなんだろうなとつくづく思ってしまいました。
監督:石川慶
脚本:向井康介
愛した人の本当の姿をあなたは知っていますか?というサブタイトル。というか、形はどうあれ、あなたは愛する人の何を愛したんでしょうというのが本質的な問なのかな。愛した人が、外国人であろうとも、宇宙人であろうとも、人に言えない過去を背負っているような人であっても、今目の前にいるその人を愛するという気持ちは、そういう分類では区別できないところにある何かを愛する気持ちなんだろうなと思いました。もちろん、実態を知れば愛したものが崩れ去ってしまうことがあるのかもしれない。愛が虚構に思える時があるのかもしれないけど、本当に愛する気持ちがあるとするなら、それはそいうものでも揺るがないものなんではないかとそんな風に感じました。
監督:熊澤尚人
脚本:熊澤尚人