子供の時に事件で友達を亡くし、結婚しては夫が不可解に失踪する。どちらをとってもトラウマになりそうな出来事。人生でこうした事件に出くわして、それでも生きていくのはちょっと大変。どこかで「忘れる」という自然な防御姿勢が身についてしまうのだろうなという設定。特に夫の失踪。4年付き合って結婚して、4年の夫婦生活を経て、突然の失踪。「人間を理解していること」という問いはあまりにも惨い。そう、どんなに身近にいても、どんだけの時間を一緒に過ごしていても、その人がどういう人だったのか、理解しているつもりだったけど何もわかっていなかった・・・ということはあるんでしょうね。失踪した夫は嘘つきだった。嘘がばれると、あるいはばれそうになるとその場からフェードアウトする。結婚生活を終わらせたいと思った事件は何だったのでしょうか？全部は理解できないけど、結果を受け入れてしまうということもやっぱりあるのでしょう。そして突然現れた友達の兄。そこに未来があるのか・・・それにしても、リリー・フランキーが歌った「裏切り者の旅」は良かった。
監督：今泉力哉
脚本：澤井香織、今泉力哉
