豊悦さんの梅安はとても良かったのだけど、全体的に少し違和感。仕掛人というのは表の世界で裁けない悪を苦しめられた庶民に代わって成敗するという絶対的な正義があるような気がするのだけど、そういう意味では元締めである蔓が悪人であってはダメでしょうというのが1点。そしてそれと関連することとして、成敗する悪は絶対的な悪である必要があって、「えっ、そんな理由で…」という理由で仕掛人が動いてはいけないような気がする。仕掛人が動くのは、もっと裏に巨悪があって、それが庶民では届かないところで動いていることだから、仕掛人が動くという構図があるべきなんじゃないかなと思ってしましました。それと、全体的に口が軽い。仕掛人の世界は闇の世界なので、秘密は最小限の人たちで共有されないといけない。梅安と彦次郎も表向きは没交渉であるべきなんじゃないかなと思ってしまいました。でも、全体的に良くできた作品だと思うし、次作も見ると思います。
監督:河毛俊作
脚本:大森寿美男