りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

ディア・ドクター

西川美和監督作品をAmazon プライムで。僻地の医療をどんな目線で取り上げるのか。NHKのドキュメンタリーのようなものを勝手に想像していたのだけど、それは少しずれていた。こうした地域は当たり前だけど高齢者比率が高い。持病を持っている人も多い。ただ、そこに求められているのはもちろん、単なる医療行為だけではない。土地の人の話を聞き、生活に寄り添い、求められているところを一緒に考えてあげる医療。もちろん、そういう医療の形を研修医の目線から描き出している部分はあるのだけど、この映画のポイントはその医療行為を行っている人が実は偽医者であったこと。そして、ある老人に寄り添った医療の結果、抱えきれない矛盾の中で、失踪してしまったこと。さらに、あれだけ信じて、心のよりどころにしてきた医師を、偽医者と知った途端の掌返し。いかにもありそうで、だからこそ怖い感じがした。その医者に救われていたんじゃなかったのかな。確かに偽医者は間違った行為だけど、それに救われていたんじゃなかったのかなというのが素直な疑問。一つの事でその人を見る目が180度変わってしまう。人間のそういう一面も見事に浮き彫りにされているなと怖くなりました。

ディア・ドクター