りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

スピリチュアルズ

 橘玲さんの「スピリチュアルズ」を読みました。最近、本を読んでいない訳ではないけど、どうしても最後まで読了できない。積読というより、読みかけの本がどんどん増えていく感じ。まとまった時間が取れなかったり、次々と読みたい本が出てきたり。という中で、しっかりと読了。これも一つの「不都合な真実」シリーズの1冊かな。

まず、この本の紹介記事。「「わたし」も「あの人」も、たった8つの要素で出来ている。人間の行動のすべてを、じつは(意識ではなく)無意識が決定している。あなたの知らない「あなたの無意識」これを本書では“スピリチュアル"と呼ぶ。今、世界の最先端では、すでにあなたのスピリチュアルが読み解かれ、さまざまな局面で利用されている。」

スピリチュアルズというタイトルから、スピリチュアルな本だと買ってい思うとミスリードしてしまうかな。ここでいうスピリチュアルズというのは精神世界的なものというより解説にもある無意識なもの。本人が元々持っている性質のような理解をしていかないと、Amazonの☆が1つ見たいな批判になってしまうような気がする。心理学でいうビッグファイブを拡張して、「人格(パーソナリティ)は8つの要素で説明できる」というのがこの本の主張。8要素とは、具体的には以下の8つ。1)内向的vs.外向的、2),楽観vs.悲観、3)同調性、4)共感力、5)堅実性(=信頼性の有無)、6)経験への開放性の有無(=面白いか、退屈か)、7)外見の良し悪し、8)知能の高低。最初の5つが心理学のビッグファイブだけど、3つ追加するところが不都合な真実かな。外見とか知能とか絶対にあるよなって思ってしまいました。実は、この本には117か所ハイライト下のだけど、一番印象に残っているのが以下の説明。「アスペが『共感力は高いがメンタライジング能力が低い』ひとたちだとするならば、サイコは『メンタライジング能力は高いが共感力が低い』ひとたちのこと」というもの。アスペの人は、人が泣いているのを見て一緒に悲しむことはできるけど、何故悲しいのか判らない人。サイコはその人が悲しんでいる理由は判るけど、あっそ!ってな感じで、そこに共感できない人。サイコは意外にリーダーに向いていて、部下を死地に向かわせるとか、ある程度サイコでないとできないことというのは判るような気がする。

あと「愛は地球を救わない」という真実。多くの場合、愛は「自分たちのメンバーに対する絆が増す行為」であって、逆に自分たちのメンバー以外を排他的にする行為でもある。つまり仲間内での高い共感力。一方で、部族間の争いを無くそうとすれば、逆に部族内の共感力は低くないといけない。故に「アインシュタインガンジーマザー・テレサ、あるいはそれ以外の多くの偉人たちも、低い共感力によって偏狭な部族主義を脱し、より広い視野で自分とは異なるひとたちの幸福を真剣に考えることができた」というのにつながるらしい。

あと、「意志力は消耗する」という話。これは、意志の強い人と弱い人がいるというだけでなく、同じ人でも散々頑張った後は、逆に頑張れなくなるというお話。「意志力が消耗すると、自己を制御する脳の部位である前帯状皮質の動きが鈍くなり、エラー検出能力が低下して、感情や反応をコントロールするのが難しくなる」ということで説明できるらしく、「ダイエットが困難な理由は、食べることを拒絶すればするほど食べ物にとらわれていくこと」に繋がるらしい。妙に納得。そして、「意志力によって感情を制御すると脳の別の機能がうまく働かなくなるし、さらに恐ろしいことに、ストレスによって病気になったり、老化が早まったりする」らしいことはある意味当然、だけど残念な真実。頑張りすぎるのは良くないってことですよね・・・とコントロールできるようなら苦労しない訳ですが・・・あと、知能の話も説得力あり過ぎ。

実は、追加された3つのファクターの方が色々不都合な真実だったりして・・・でも、本当に考えさせられました。

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