りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

永い言い訳

西川美和監督の作品が気になってしまったので、改めて。劇場で見た時は幸夫って結構めんどくさいなと思いつつ、竹田ピストル演じる陽一みたいなのも苦手だなって思って見ていたような気がする。結局幸夫は奥さんがいないと何にもできないくせに、そして、奥さんを全然理解していないくせに、なまじ小説が売れて、テレビにも出演するようになったが故に何か勘違いしている人。陽一の息子とは思えない真平くんは、賢くて、色々な機微が判って、一番大人なんじゃないかなって思ってしまいました。何故夫婦には子供が必要なのか。確かにリスクはあるし、自由を奪われる。でも、持ってみて初めて分かる、家族がいること、守るべき人がいることの大切さ、自分が求められること、頼られることのありがたさのようなものが何となく伝わってきた。この人には妻を失った喪失感というのがあったのかは判らないけど、妻を失ってから、陽一と知り合い、家族目線を持てたことは人間としての成長だったんだろうなと思いました。経験が作家としての肥やしになる。確かに。そして、なるほど、できた作品は「永い言い訳」っていうのも判る気がする。

永い言い訳