中島真志先生の「アウター・ビットコイン」を読みました。中島先生は現在は麗澤大学の先生のようですが、日銀でこの世界の調査や研究をやっていた人。大変勉強になりました。何となくわかったようでわからなかったブロックチェーンの仕組みとか、完璧でないにせよ一段上の知識が入ったような気がします。また、正直それほど興味がなかったのだけど、中央銀行のデジタル通貨、国際送金、証券決済での実際の取り組みを読んでみて、なるほど一つに繋がり、世の中の流れと現実が分かったような気がしました。少なくとも、ブロックチェーンというか分散型台帳技術(Distributed Ledger Techonology ; DLT)っていう技術は凄いな。サトシ・ナカモトは流石だとやっと思えるレベルまで来ました。中島先生が書かれているように、通貨である以上やはり発行主体の信頼性は大事だと思うし、コーポレートファイナンス的に考えると、つまり将来キャッシュフローの割引現在価値の合計と考えたときにビットコインの理論価格はゼロである可能性が高いという指摘は納得。この本の最後の方で書かれていた、ブロックチェーンの技術を中央銀行や金融機関がうまく活用していくというところが現実的なのかなと思ってしまいました。
「お金2.0」ではありませんが、新しい経済の仕組みを作ってくということが、大事なのだとは思うけど、新しい仕組みは何かの組み合わせだったりもする。そして、金融の世界は何よりも信用力が必要。この辺のバランスをどう考えるか、どう見極めるかが個人の力なのかなと考えさせられました。

アフター・ビットコイン: 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者
- 作者: 中島真志
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2017/10/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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