小笠原治さんの「メイカーズ進化論」を読みました。今ちょっと流行のIoTという言葉は、あまり自分には関係ないことだと思っていたのだけど、そして、「下町ロケット」のファンではあるけれど、製造業にこだわりすぎると日本の将来は無いんじゃないかと思っていたけど、確かにIoTでものづくりも変わるんだなと思いました。アマゾンの売り上げの25%は本当にニッチな分野の本で、そういうロングテールな事象は情報社会の中にしかないのだと思っていたのだけど、ものづくりの世界もロングテールに対応できる時代なんですね。ちょっと引用。
「メイカーズが目指すのは、ITとインターネットをパソコンやスマートフォンに閉じ込めることなく、ディスプレイの外側のあらゆるモノゴトをつなぎ合わせるモノ、言い換えればIoTの実現です」
「大事なのはIoTが「人」を対象としたインターネットではなく、「モノとコトのインターネットであるということです。特に「モノ」が「モノゴト化」していく(サービス化するともいえます)という大きな変化にこそ、モノづくりの生態系を揺るがすほどの大進化が潜んでいるのです」
「モノはデザインと機能という非言語的な要素でできているいうのが僕の持論です。そして、それゆえにグローバルになりえるのだと思います」
「僕がメイカーズの最前線にいて感じるのは、何よりも「売れる」という現実がモノづくりを進化させているという事実です」
「大量生産はむずかしいとしても、「個」に向けてカスタムメイドしながらほどよく適量に生産できる時代なのです」
「インターネットにつながることで便利になるモノが作りやすくなっているとしみじみ感じます」
「無意識で自然な「動作」なのか意識的で目的のある「操作」なのか、その違いだと思います、言葉の上ではすごく微妙なニュアンスの違いではありますが、ITやインターネットの文脈では非常に大きな意味をもっています」
「操作を意識させること無く自然な動作に変わり、インターフェースに気づかないインターフェースを実現していくことが「スマート化」ということなのだと思います」
「データの量は多ければ多いほどいいということです。量はやがて質に転化していくというのが持論です」
「モノがインターネットにつながることでモノゴトを生み出すことを、僕は「モノゴト化」と呼んでいます」
「モノを売ることで利益を得るのではなく、サービスで利益を生むのがIoTです」
「データがインターネットを通じて集積されるようになると、ハードウエアがいっそう賢くスマートになり、人間の余計な手間を減らしてくれて効率的に、また便利になりました。さらにその人間の動作や外部環境全般のあらゆるデータがクラウド上で集積されて人工知能により解析されるなど価値を持つようになると、そのデータを使ってますます便利なサービスが生まれてきます。ここで初めてモノ以外の「モノゴトで稼ぐ」ということがかのうになってくというわけです」
「IoTに必要なのは、1)多種多様なセンサー、2)安価で省電力な通信環境、3)セキュアに膨大なデータを蓄積可能なストレージ、4)蓄積されたデータの分析・学習、5)分析・学習に基づく予測、6)これらの多様性を担保するAPIです」
メイカーズ進化論―本当の勝者はIoTで決まる (NHK出版新書 471)
- 作者: 小笠原治
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2015/10/09
- メディア: 新書
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