入江宏志さんの「2020年を見据えたグローバル企業のIT戦略」を読みました。特にクラウドについては、とても参考になりました。「日本企業の場合、IT資産をクラウドに載せたとしても、リホスト(コンピュータロジックはそのままで、ハードウエアを変更)するケースがほとんどである。以下にこれまでのIT資産を活かすかに重点が置かれているわけだ。割り切ってリライト(基本的なコンピュータロジックはそのままで、アーキテクチャやOSを変更したり、他の開発言語で書き換えたりする)やリビルド(コンピュータロジックもビジネスロジックも変更する)には、まだまだ敷居が高い。」という記述がすべてかな。これでは、変化に対応できないし、効果も限定的。
「日本ではクラウドコンピューティングは、コスト削減の道具とみなされる場合が多い。だが米国では、企業が変革するための手段や海外展開の拠点だと認識されている」とか・・・アウトソーシングのガバナンスにしても「米国では複数のユーザー企業のシステムをアウトソーシングとして受け入れるコア型で発達したのに対し、日本では各ユーザー企業のサイトで運用を代行するアイランド型で発達した」など、いかに日本が変革を拒んで今のカタチを残しつつ新しい技術や運用スタイルを導入しているのかがわかる。ITというより経営スタイルの問題かな。そんな印象を持ちました。
2020年を見据えたグローバル企業のIT戦略 〜クラウド、GRC編〜 (IT Leaders選書)
- 作者: 入江宏志
- 出版社/メーカー: インプレス
- 発売日: 2014/12/19
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
[DATA]
今月の読書 3冊
1月からの読書 57冊