りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

雨です。結局、今日も走ることを諦めました。
朝から新聞をやたら丁寧に読む。日曜日の楽しみは書評欄。今回、文芸評論家井口時男氏の「吉田修一さんの『怒り』に関する書評」を読んだ。少し引用したい。

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やがて人々の間にも疑惑のさざ波が立ち始める。けれども、人々はもう突き放せないほど深くそれぞれの若者に関わってしまっている。信じたら傷つくかもしれないが信じなくても傷つくだろう。その時人はどうふるまえばよいのか。一度傷ついた信頼は再びよみがえることができるものなのか。
ますます流動化する社会にあって、人々は互いに秘密を隠し持つ孤独な他人同士として現れる。他人の闇の深さは誰にも測れない。ともに生きるとは、闇を抱えた相手をそのまま受け入れることだ。その究極の受け入れが「愛」とか「信頼」と呼ばれる。小説の読後に静かに立ち上がってくるのは、人間を信じる能力、愛する能力についての深い問い掛けのようだ。

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これです。確かにこの書評がすべてを言い表してくれているような気がする。おそらく自分が上手く表現できなかったのは「他人の闇の深さ」という表現。そして、闇を抱えた相手をそのまま受け入れること。これが上手く説明できないと「怒り」のモチーフを上手く伝えられないなと思いました。いい書評です。