太田康夫さんの「バーゼル敗戦 銀行規制をめぐる闘い」を読みました。というより、やっと読み終わりました。バーゼルII規制については、仕事の上でもかなり密接に関わってきましたが、規制の流れやその本質的な思想、国同士の駆け引きなども見えてきて良かったです。リスクを計量化している立場からすると、受け入れづらい内容でもありましたが、金融機関が収益を上げようとすれば、必然的にリスクを許容するインセンティブが働き、この過度なリスクテイクを抑える=金融安定化という立場からすれば、規制は強化されるべきという流れでしょうか。そんなに簡単な話ではないですが、日本の金融監督当局と日本のメガバンクが自己資本の大切さという点についての認識が弱いという指摘は確かにそうなのかも知れません。また、海外進出というのはよりリスクのあるビジネスですから、より自己資本は必要になってくるというのは当然の理屈。そういう意味では、目を通しておいて良い一冊だと思いました。
- 作者: 太田康夫
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2011/05/26
- メディア: 単行本
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