りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

ウェブで学ぶ オープンエディケーションと知の革命

梅田望夫さんと飯吉透さんの「ウェブで学ぶ オープンエデュケーションと知の革命」を読みました。あとがきに梅田さんが書いているように「日本語圏のウェブ世界からはまったく見えない大変化が、世界では着実にしかも急激に起きていることを皆さんに知って欲しかった」からこの本を書いたそうで、ウェブを通して教育がオープン化していくと、当初作り手が想像していなかったような新しい効果が生まれてくるという事実が述べられているといっても過言ではないように思いました。オバマ大統領は就任直後の議会演説で「教育と職」の関係についてのメッセージを発信。「グローバル経済において、売ることのできるもっとも価値あるスキルとは知識なのであり、良い教育というものは、もはや機会を得るための道筋ではなくて絶対的に必要な前提条件なのだ」と述べたらしい。
梅田さんによると、起業家タイプの人は人生のある時期に、たいへんな集中力と気迫で新しい知識を独学で習得するらしい。なぜなら、起業家はその時代の要請を敏感に感じとって事業機会を掴み取るわけで、変化こそが機会を生むわけで、起業に必要な知識を起業家が起業段階ですべて持ち合わせていることが稀、その分、独学によって自らの道を切り開くという文脈です。そうしたところにオープンエデュケーション存在するということは、きわめて高い効果になる考えられる。問題は「師」と「同士」にどのようにめぐり合うかということみたいです。「学ぶためには環境と動機が不可欠」と飯吉さんは述べ、師や同士というのは情報や刺激を与えてくれる環境であり、師や同士とどのように出会えるかということは、どのような学びの環境に自らを置くかということと密接に関係してくると述べています。つまり、学ぶにはもちろん動機が必要ですが、それとオープンエデュケーションという環境がそろえばそれで万事OKということではないということらしい。動機を維持させたり、壁にぶつかったとき適切な道しるべを与える環境がないと、継続は出来ないということだと解釈しました。ゆえに、師や同士が大事。そしてもちろん、そうした動きも顕在化しており、今後が楽しみな状況にあるとのこと。結果、オープンエデュケーションによって、師や同士のあり方が変わるということなのかもしれません。
最後にオープンについて。飯吉さんは「オープンの本質はセレンディピティにある」としていて、「自分が何かを探している家庭で、偶然別のものとめぐり合い、そこからもっとすばらしいものを見つけ出せる能力」こそオープンの本質だといっている。オープンの意味合いが少しずつわかったような気がします。

ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)

ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)

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