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人工知能はなぜ未来を変えるのか

日記 読書

 松尾豊先生と塩野誠さんの対談本である「人工知能はなぜ未来を変えるのか」を読みました。本当は昨日の松尾先生の講演の前に読んでおきたかったのだけど・・・

人工知能学会にも倫理委員会というのが有るらしいですが、やはり人工知能を考えていくと、単にデジタルとかITとか、データサイエンスという枠組みを越えて人間として考えなければならないことがたくさんあるなと、そんなことを感じさせる本でした。ただ、この本2014年の本なんですね。やはりこの世界で2年の歳月は大きいと感じました。入門書としては良いかもしれませんが・・・

・人間が恐れていない理由は、人間の生物としての競争力が学習能力にあって、いろいろな経験から学んでいけるからです。
・コンピューターは階層化された下位層のほうから学習する手順は会得できますが、物事を階層化、体系化して捉え、考え方を設計・構築することは、いまのところ人間がはるかに上を行っています。
・私が本当に怖いと思っているのは、社会を変えるような人工知能は、人間のような形をしていないし、ふるまいもしないことです。それはただただ単純に予測精度が高いものです。
人工知能の本質は「近似」や「共通要素」の処理にあるということですね。
・認識されないこと自体が、もしかしたら人間が従来は持っていた権利なのかもしれません。漏れなく捕まえられるようになると、ちょっと損をした気がします
・いまある社会制度や法律などは、非常に上手くできていて、理念とそれを運用する方法のセットになっている。運用する方法が既存の科学技術とか実行可能な範囲で考えられていますから、運用上の柔軟性の余地や関わる人の行動の余地がいろいろある中で、そうした余地をうまく吸収できるように設計されています
・社会がデータ化していく中で、最終的に出てきてしまうこと、根本に立ち返ったときに、どうしてもいまのやり方と矛盾してきそうなのが、人の命の重さと一票の重さです。データ分析から判断すると、本当は平等ではないという事実が出ざるを得ないという気がします
・大義名分としての一人一票と、実効的な社会としての長期的意思決定を、うまく折り合いをつけながら変えていく
・知識をリセットすることは、おそらく学習し続けることと同義だと思います
・人間がどこで介在するかと言えば、「ちゃんと勉強しなさい」と注意したり、分からないところを教えてあげたりとか、コーチング的な役割になってくるでしょうね。
・日本史や世界史は、ストーリーをパターン認識してそこから類推するような人間が得意とする力を育む上では、非常に重要な科目だと思います。
・ものづくりにしても、誰でも作れるようなところはどんどんオープン化して自社ではやらないようにする。
・「欠乏の効果」、つまり教えない効果もあっていいと思います。子どもにとって知りたいのに教えてくれないのは、非常に飢餓感をあおる状況で、それをしばらく経験することが、実はその後に強いモチベーションを持つ重要な材料になり得ます。
・やはりある程度は自分で調べるとか、調べた後に本当なのかと考える過程や習慣がないと思考は成熟しません。その意味では、インターネットやネットワーク上に自分がいるのが分かっているがゆえに、思考の成熟というか思考の深さがなくなっている気もします。
・知識が必要という部分はネットで調べればいいという形に変わっていきますから、判断の質がいかに高いか、いかに適切な判断ができるかとか、そうした定量的な指標で専門性も測られるようになっていくでしょうね。
・人間にできることは意思決定と責任を取る機能だけに
・計測技術の発展は科学の発展と密接に結びついていますので、計測できるようになることは重要ですよね
・グーグル、フェイスブックに限らず、アップル、マイクロソフトといったITの巨人が、人工知能の研究者を集めているという話も聞きます。
・現状、ディープラーニングに関して、米国とカナダが最先端を走っていますが、ここはデータ量とコンピューターのパワーでなし遂げられている世界。
・自分で計算する重要性は本当に大きいと思います。思ったとおりの結果は絶対に出てこない。そうすると、見過ごしていた前提とか過程とかがはっきり理解できるので、分析する意義はとてつもなく大きいのです。
・今回の対談では、いかにネットワーク、データ、人工知能といったものがこれからの社会に大きく影響を与えていくか、それは人々の生活から行動様式、法制度、はたまた国家観にまで影響していくのではないかという仮説のもと、その可能性をディスカッションしています
・現在の人工知能のブームは、実は「デジタル革命」と「ディープラーニング革命」の二階建てで構成されているという理解がよいのかなと思います。情報技術やデータを使えば驚くほどさまざまなことができるということは、この二〇年くらいの世界におけるイノベーションの根源の一つだったわけですが(それがGoogleAmazonFacebookの原動力でもあったわけですが)、それが人工知能という「擬人化」をすることで、日本でも多くの人が理解するようになりました。これがデジタル革命であり、一階部分に該当する話です。「認識」「運動の習熟」「言葉の意味理解」ができると言っているのですが、画像や音声など、現実世界のデータからの認識を起点にさまざまな変化が起こる、これがディープラーニング革命であり、二階建ての二階部分です。
人工知能の世界は一秒でも早くアルゴリズムにデータを与えて学習を開始することが優位性につながります。

人工知能はなぜ未来を変えるのか (中経の文庫)

人工知能はなぜ未来を変えるのか (中経の文庫)

 

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