りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

怪物

是枝監督に脚本が坂元裕二、音楽は坂本龍一カンヌ映画祭脚本賞受賞。もうこれだけ聴いたら、期待しないわけにはいかない作品。そして、実際に見てみたら、見終わった瞬間に「ああ、もう一度最初から見たい」と思わせられる作品。とにかく伏線が一杯。見落としがなかったか、見終わった瞬間からそんな心配で頭が一杯になる。何が真実かは判らないけど、進行とともに明らかになっていく事実に「何々、それって、そういうことだったの」の連続。この鮮やかな展開がカンヌ脚本賞なんでしょうね。誰もが言っているように、同じ事実も見る人によって全然違って見える。すべてを知っている人はいないし、それぞれが見える断面をそれぞれの立場と視点で解釈する。だから、全然違った見え方をしてしまう。それに、残念ながら見て向ぬふりも、あえて見ない人もいる。キャストも抜群。モンスターペアレント風母親、安藤サクラ、ちょっとサイコに見える教師、永山瑛太、ダメダメでどうしようもない校長に田中裕子。瑛太の恋人に高畑充希高畑充希の恋人なんだけど、どこか距離があって、突き放したような感じも現実なんだろうな。その他のキャストも間違いない。特に、ポイントとなる麦野湊役の黒川想矢、星川依里役を演じた柊木陽太、どちらも申し分のないパフォーマンスでした。それに、あの大きな湖のある街っていう設定が良かったかな。湖と廃線の鉄道跡。これがこの作品にぴったりでした。
全く関係ない感想として、個人的には星川依里のような宇宙人的子供にはちょっと魅力を感じる。ただ、近づきすぎるのは怖いんですよね。湊が依里に惹かれていったのも判るような気がする。

監督:是枝裕和

脚本:坂元裕二

出演者:安藤サクラ永山瑛太高畑充希

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