りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

イチケイのカラス

素直に面白い映画でした。この映画で隠されていた秘密は2つ。一つはイージス艦の航海日誌。そこには国防に絡む重要な機密情報が記載されていた。もうひとつは健康被害を引き起こす工場からの排水。前者は最後まで暴かれることはなく、後者は暴かれる事で事件は解決、工場が閉鎖されることで、街はシャッター商店街となった。後者は法律の基準値を守らなかったから悪だったのか?というと、実はそうじゃないんじゃないかなと思った。この街はあまりにも一つの工場に依存しすぎている。地方の企業城下町ならよくある風景なのかもしれないけど、企業は絶対ではない。企業競争によって敗れることもあるだろうし、採算が合わなければ売却や移転もしなければならない。そういう意味では、環境が変わったのだから、街も環境の変化に順応させなければいけなかった。いつまでも「今まで通り」を維持しようとした無理が、犯罪を生み、淘汰につながってしまったんじゃないかなと思う。環境の変化に順応するというのは言うは易いが行うのは難しい。ただ、対応できなければ淘汰されるのは自然の摂理なんじゃないかなと思った。
法律は完全ではない。だから、すべての真実を暴いたからといって、法律で全てを正しく裁くこともできない。ただ、法律は人間社会が学んだ経験がルールとして詰まっている。だからそのルールを破る時、そのルールがどんな経験を背景に生まれたものなのか、その意味を考えるべきと思った。

監督:田中亮

脚本:浜田秀哉

出演者:竹野内豊黒木華斎藤工ほか

イチケイのカラス