ペラルナウさんの「FCバルセロナの人材獲得術と育成メソッドのすべて」を読みました。バルサの本3冊目。それにしても、バルセロナというクラブがいかに凄いクラブなのかを改めて思い知らされた気がします。これは一つの哲学であり宗教という気もしました。バルセロナが求めるサッカーの形があって、幼少期からその形を体で覚え込ませる。きちんとした技術を持った子供たちを集め、バルセロナの形をその体に浸透させる。形が決まっているから、上のチームに上がっても役割が明確化されている。こういうクラブだから発揮できる力があり、こういうクラブだから天才が来てもその言語を覚えることに馴染めないスーパースターもいる。チームとして凄いなと思ったのはそうした哲学が浸透していることなのだけど、育成という意味では、必ずしもトップに上がれないことも考慮して、サッカーに限らないきちんとした教育も面倒を見ていること。だからこそ、サッカーに打ち込めるところもあるのだと思う。
ラグビーの日本代表が200日を超える合宿をやって、様々なシチュエーションでチームがどう動くかをチームとして体得していったという話は今や有名な話だけど、子供のうちから戦術を頭と体で覚えさせ、それこそ様々なシチュエーションの中でどう動くべきかがモデル化されているのはバルサならでは。子供の時から覚えた方が、覚えも早いしスムーズに体が動くというのも納得できる話。ちょっとレベルが違うのかもしれないなと思った。恐らく、副題である「チャビのクローンを生み出すことは可能なのか」という質問の答えは「Yes」なんでしょう。底知れないバルサの強さを感じさせる一冊でした。

FCバルセロナの人材獲得術と育成メソッドのすべて チャビのクローンを生み出すことは可能なのか
- 作者: マルティ・ペラルナウ,浜田満
- 出版社/メーカー: カンゼン
- 発売日: 2012/12/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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