りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

閉鎖病棟

 帚木蓬生さんの「閉鎖病棟」を読みました。精神病院・・・っていういい方は今も残っているのか判らないけど、精神病院に長期入院せざるを得なかった人たちの話。と言っても、入院に至る問題行動があったのは事実として、極めてまともな感じがする。精神分裂症と診断される人たちは、時として何か抑えきれない衝動が起こるのかもしれないけど、平時はいたって普通の人。入院せざるを得ない事情を抱えているだけに、社会に対して負い目があるのかもしれないけど、その分、同様の立場の人に対する優しさも持ち合わせている。だからこそ、分かり合えたり、助けてあげたい気持ちになったり、そういう気持ちが強くなるのかもしれないということを感じた。淡々とした病院生活はそれほど面白いものではないけれど、ある日起こった事件をキッカケに新たな事件が起こる。そこに至る背景と、そこにある思いやりが患者だからこその部分もあるだろうし、だからこそ分かり合えることもあったのだろうなと、そんなことを感じました。

閉鎖病棟 (新潮文庫)

閉鎖病棟 (新潮文庫)

 

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