原作とは随分と違う作品になっているような気がした。話はとても判り易くなったような気もするけど、その分何だかつながりすぎていて、ちょっと違和感を感じてしまった。大切な彼女を護るために命を投げ出すのは、判り易く感動的かもしれないけど、彼女と二人の幸せよりも、自分が持ってしまった奇跡の力を、多くの人たちの命を救う為に使う原作のストーリーの方が良かったような気がする。特に、彼には妹を救えなかったというトラウマがあったはずだし、なぜこんな力を持ってしまったのかという、どこかその運命を恨むところもあった。でも、最愛の彼女よりも小さな子供たちの将来を奪ってしまうかもしれない運命に立ち向かう苦悩は壮絶なものがあり。むしろその展開の方が厚みがあったような気がする。
