りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

平成はなぜ失敗したのか

 野口悠紀雄先生の「平成はなぜ失敗したのか」を読みました。平成の時代に何が起こったのかというと「新興国の工業化とIT革命」である。平成が停滞した30年になったのはこの変化に日本が対応できなかったこと。野口先生の言葉でいえば「脱工業化を図り、産業構造を大変換」すべきだったのにそれができなかったということ。新興国が工業化するということは、製造業において「垂直統合から水平分業へ」という動きが起きたことに他ならない。具体的には、中国が大量生産分野を担当して生産を行なうことで、工業製品の価格は世界的に下落。  日本の製造業が中国メーカーと製造過程でのコスト競争を行なっても、消耗するだけ。一方英国は、金融業で復活。

日本企業が世界経済の変化に対応できなかったのは「組織に対する無定量の依存心と組織の絶対性への信仰があったから」だと先生は言う。考えないということでしょうか。それと、「金融政策で『引く』ことはできても『押す』ことはできません」というのも印象的。マネタリーベースを増やしても、借り入れ需要がない経済ではマネーストックは増えないということ。余ったお金はバブルを生む。

最後に、日本の財政と労働力の話があった。何の根拠もないけれど、ハイパーインフレだけは勘弁してほしいな。それと「『雇用の確保』よりも『人手の確保』が重要な課題」と述べていますが、求められているのは高度な専門家なのでしょう。大切なのは規制緩和だと述べていましたが、少なくとも読後の完走は「日本のそして自分の今後に不安を感じました」ことでした。

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