大前研一さんの「日本の論点」を読みました。さまざまな日本の課題について、独自の視点で提言をするところは「さすが大前研一」と思わされました。特に日本の産業に関する考察はさすがです。日本企業は幾多の円高の中で、その円高対策として、1)高付加価値化、2)生産性の向上、3)海外展開という3つの策を組み合わせてきた。しかし、そろそろ1),2)が限界に近づいていることに加え、サプライチェーンごとの海外展開が進み、空洞化が進んだということだ。空洞化が進めば、たとえ円安に振れても企業は戻ってこない。80年代のアメリカと同じ現象が起こるというのだ。80年代のアメリカは、この時期レーガノミックスで協力に規制を緩和し、金融業とIT産業を育てたが、日本は何もできていない。新しい産業が育成されない限り、社会の構造に変化はなく、これからは厳しい世の中になるという推察はさすがと思いました。
- 作者: 大前研一
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2013/10/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (6件) を見る
今月の読書 5冊
1月からの読書 47冊