りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

坂の上の雲最終回

ついに「坂の上の雲」が終わってしまいました。最終回は日本海海戦でしたので、ハリウッド映画さながらのド迫力映像で前々回の「二○三高地」と同様の感動・・・そう、命をもって日本を守り、歴史を作ってきたという感動を与えられるかと思っていましたが、日本海海戦は比較的短時間で終わり、むしろ、戦争で多くの命を奪ってしまったことに対する秋山真之参謀の苦悩みたいなものに時間が割かれていたように感じました。それもいいです。確かに日本海海戦は二○三高地の戦いとは違っていたのだと思いますし、戦争が人の命を奪うのは事実で、作戦参謀は好むと好まざるにかかわらず、その作戦で相手の命をたくさん奪うことが仕事。国を守り、家族を守り、自分を守るためとはいえ、そこに人間としての苦悩があって当然。最終回のモチーフとしては良かったのではないかと思います。
さて、このところ、ずっと「坂の上の雲」に魅せられていたので、時間を見つけては日露戦争関係の資料を読んでいたのですが、一番驚いたのは、軍神乃木希典大将の評価。私自身は日露戦争坂の上の雲くらいの認識でしたから、こてこての司馬史観で歴史を見ていて、当然乃木将軍の評価は無能な将軍。旅順の正面突破作戦は無駄に将兵の命を奪った無謀無知な作戦と認識していましたが、やはり「そうでもない」という見方がありました。総参謀長児玉源太郎が乃木将軍から指揮権を奪い、二○三高地を奪取した背景には、その前の乃木軍の正面突破によるロシア軍への攻撃が活きており、もしそれなくば、二○三高地を奪取した後に、すさまじい反撃にあい、そこを占領することはできなかったというもの。この説には、ロシア軍側からの裏付け証言もあり、そこでは乃木将軍の作戦を評価しているというものでした。いずれにせよ、旅順を攻略して日露戦争の勝利につながっていくわけで、二○三高地を奪取したことは歴史上意味があることは紛れもない事実です。国家の有事に、たくさんの将兵を死に追いやりながらも旅順を攻略した乃木将軍の苦悩は秋山参謀より深いものがあったのではないか・・・少し乃木将軍への見方が変わった今日でした。