富山に出張でした。富山はすごい雨。羽田を発つとき、「富山には着陸せず、引き返す可能性があります」というアナウンスがありましたが、無事到着。ちょっともやもやすることもありましたが、今日のセッションはそれなりに実があったと思います。で、行き帰りの移動中に早川草介さんの「神様のカルテ」を読みました。明日、封切られる映画の原作です。嵐の翔くんが主人公で、おそらく奥さん役は宮崎あおいさん。読む前はカリスマ外科医、そう、ドクター孤島のようなイメージだったのですが、作者の早川草介さんは実際に信州で地域医療に取り組む医師であることもあって、現実の地域医療が抱える問題とそこでの医師の取り組みを小説化した本でした。というよりは、高齢者が死に向かい合うとき、医師ができることは何なのか?現代の高度医療技術をもってすれば、延命することは難しいことではないけれど、それが本当に患者と家族にとって幸せなのかということを考えさせられる作品でした。また、下宿先での人たちの触れ合いも懐かしさを思わせるもので、ユニークでした。でも、それはこの本のモチーフからするとちょっとかな。主人公の人間性を表現する意味で必要だったのかも知れませんが、私はもう少し老人の最期を看取ることの意義に深く切り込んだ方が良いように感じました。
- 作者: 夏川草介
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/06/07
- メディア: 文庫
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