りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

BCG流経営者はこう育てる

福岡への移動の機中で、菅野寛さんの「BCG流経営者はこう育てる」を読みました。面白かったです。はじめににあるように「日本企業は資産(ヒト、モノ、カネ)において、世界の企業に比べて劣っているわけではない。むしろ技術水準は高く、従業員の質も高いといえる。それでも、この10年以上にわたって、日本企業の業績が低迷し続けているのは、経営者の責任が重大だと言わざるをえない。」というのはまさにそうだと思いますし、経営者っていうのはドラッカーがいうところの「なすべきことを成し遂げる能力」を持っている人だという意見もその通りと思います。で、この本はその「なすべきことを成し遂げる能力」を因数分解して、「経営者に必要なスキルセット」として体系的に整理したものということだそうです。
菅野さんによると、この経営者に必要なスキルセットは大きく2つに分類され、ひとつは科学系スキルセット。マネジメント知識とロジカル・シンキング。MBAコースで習うスキルといえるかも知れません。もう一つがアート系スキルセットで、こちらがより重要。「強烈な意思」「勇気」「インサイト」「しつこさ」「ソフトな統率力」の5つだという。私は、土光敏夫さんの「成し遂げようとする執念」という言葉で代替できるように思いました。菅野さんがいうように、経営者にとっての最重要要件が倫理観であるとして、その倫理観に基づいた目標(ビジョン)が成し遂げたいものであるなら、それを成し遂げようとする思いに共感する人が出るでしょうし、気持ちが強ければ、ここでいう勇気もしつこさも出てくるように感じたからです。
この本の第二部は「いかにしてこのスキルセットを習得するか」ですが、こちらの方も面白い。1)特定のスキルを習得したいという強い意志を持ち、目標を定める。2)集中する。一時期に一つのスキルの習得に専念する。手を抜かない。3)スキル習得の訓練法を編み出す。4)スキル習得のアクションを愚直に、何回もしつこく繰り返し実行する。5)習得状況を書き留めてモニターする。6)繰り返しの実行の結果として、そのスキルを「習慣化」させる。7)習慣化が完成したら、次に習得すべきスキルに移る。というステップ。スポーツトレーニングをアナロジーして書いていましたが、これはそうなんだと思います。菅野さんのようにコンサルティングファームの人(現在は大学教授ですが)の本は、気の利いた図表とまとめがあるのが非常に参考になります。こういうのこそ、見習いたいです。大変勉強になりました。

BCG流 経営者はこう育てる (日経ビジネス人文庫)

BCG流 経営者はこう育てる (日経ビジネス人文庫)

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