また、野中先生について書いてしまいます。日経ビジネス人文庫のなかに「やさしい経営学」という本があります。これも日経新聞の連載「やさしい経済学」を編集したものですが、暮れに大掃除をしたら出てきて、今日もぱらぱらと読んでしまいました。で、巻頭が野中先生の「経営学とは 組織の行動を総合的に説明する学問」なわけです。連載自体は2002年のものらしいですが、このころから野中先生は知識ビジョンという言葉を使って、高い理想や絶対価値を問う経営哲学の大事さを訴えていたわけですね。何も最近持ち出したコンセプトではないということで、改めて感心しました。この知識ビジョンという言葉は、知識創造を促す3つの要因のひとつと書かれています。残りの二つは場と型。場というのは対話を促すもので、場にはコンセプトの芽を生み出すアイデアマン、アイデアの芽を育てていくコーチ、アイデアをコンセプトに育て組織内外に正当化させるアクティビストの役割がいるとのこと。あと、型については、日本の伝統から継承された「守・破・離」という絶えざる自己革新をさしているようだ。なんだか優しく説明しようとして帰って難しい気もしますが、わかるような気もします。

- 作者: 日本経済新聞社,日経=,日本経済新聞=
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